2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590500
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
桂 義元 Nihon University, 医学部, 客員教授 (90027095)
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Keywords | T細胞 / 分化 / 造血幹細胞 |
Research Abstract |
T細胞は胸腺で作られる、マウス胎仔を用いた我々の一連の研究によって、T細胞を作り出す前駆細胞は、胎仔肝臓内ですでにT細胞系列にコミットされて、これが胸腺へ移行する事が明らかとなっている。我々は成体でも同様であると考えており、このアイデアをサポートする一部のデータの発表も行っている。しかし、成体ではT前駆細胞ではなく共通リンパ球前駆細胞(CLP)と称する細胞が骨髄中で作られ、これが胸腺へ移行して、このCLPからT細胞が作られるという米国のI.Weissmanらの主張を正しいとする研究者も多い。本研究では、成体マウスにおいて、胸腺へ移行してT細胞を作る前駆細胞を同定する事を試みる。我々は以前からの経験で、放射線照射して骨髄細胞を移植したマウス(XBマウス)では脾臓中のT前駆細胞活性が高い事を知っていた。このXBマウスを利用して成体マウスにおけるT前駆細胞を明らかにする事を試みる。本年度の研究で、正常マウスの骨髄中にはT前駆細胞を含むIL-7R+細胞が多数存在するが、脾臓中にはこの細胞はほとんど存在しない事が明らかとなった。現在、この脾臓中のIL-7R+細胞の前駆細胞活性を調べている。この中にはT前駆細胞とB前駆細胞が含まれるが、これらの前駆細胞の出現の動態等を検討している。脾臓中に出現するT前駆細胞は、どこで作られるのか、さらに胸腺へ移行してT細胞を作るものであるのか否かという事の解析を進めている。
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Research Products
(4 results)