2007 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞応答を負に制御するアダプター分子、BANKの機能解析
Project/Area Number |
19590503
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
饗場 祐一 The Institute of Physical and Chemical Research, 分化制御研究グループ, 研究員 (00273516)
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Keywords | B細胞 / アダプター分子 |
Research Abstract |
B細胞に特異的に発現し、B細胞応答を負に制御するアダプター分子であるBANKのシグナル伝達における機能を明らかにするため、BANKに結合する分子の同定を試みた。マウス脾臓B細胞を抗IgM抗体で刺激し、細胞から調整したタンパク溶液をSDS pageで分離後、銀染色によりタンパクを可視化した。約85kdのタンパクが抗IgM刺激に依存してBANKに結合することが明らかとなった。このタンパクが既知のタンパクであるかを検討するため、B細胞応答を負に制御することが知られる各種のタンパクに対する抗体を用いてWestern blotting法により解析したところ、抗SHIP抗体がこの85kdタンパクに結合することが明らかとなった。SHIPには分子量の異なるisoformが存在することが知られているが、85kdタンパクに関しては報告がないため、BANKに結合するタンパクがSHIPの新たなisoformであるか、またはSHIPに構造上の類似がある未知のタンパクである可能性があると考えられた。現在このタンパクの同定をさらに進めている。またBANKによるB細胞の負の制御がB細胞トレランスの制御に関与するかを明らかにするために、B細胞上にHEL反応性のBCRを発現し、さらに可溶性のHELを発現するBANK欠損マウスを作成したが、このマウスでHELに対するB細胞トレランスは正常に誘導されていることから、BANK単独の欠損が末梢B細胞トレランスを破綻させることはないと考えられた。現在、B細胞の免疫応答を負に制御することが知られるco-receptorのCD22やFcRγIIとBANKとの二重欠損マウスを作成しており、これらのマウスでトレランスの破綻が起きるかについて調べ、BANKが他の分子と協調しトレランスの制御に関与しているかについて検討している。
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