2008 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞応答を負に制御するアダプター分子、BANKの機能解析
Project/Area Number |
19590503
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
饗場 祐一 The Institute of Physical and Chemical Research, 分化制御研究グループ, 研究員 (00273516)
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Keywords | B細胞 / アダプター分子 |
Research Abstract |
B細胞に特異的に発現し、B細胞応答を負に制御するアダプター分子であるBANKが免疫トレランス誘導に関与するかを明らかにするため、B細胞上にHEL反応性のB細胞抗原レセプターを発現し、さらに可溶性のHELを発現するBANK欠損マウスを作成したが、このマウスでHELに対するB細胞トレランスは正常に誘導されていることから、BANK単独の欠損が末梢B細胞トレランスを破綻させることはないと考えられた。BANKが他の分子と協調しB細胞免疫トレランスの制御に関与しているかについて検討するため、BANKと同様、lynなどのキナーゼを介して細胞の免疫応答を負に制御することが知られるco-receptorであるCD22やFcRγIIとBANKとの二重欠損マウスを作成し、これらのマウスでトレランスの破綻が起きるかについて調べた。生後4-8ヶ月のCD22BANKおよびFcRγIIBANKの二重欠損マウスから血清を回収し抗DNA抗体価を測定したが、いずれのマウスでも自己抗体の産生は見られなかった。一方、BANKの欠損がB細胞免疫応答のどの過程を負に制御するかを明らかにするため、HEL反応性B細胞抗原レセプターを発現したBANK欠損B細胞を正常マウスに移入し、HELに対する応答を正常B細胞と比較したところ、抗原投与後48-72時間後に見られる細胞増殖がBANK欠損により亢進していることが明らかになった。この結果から、BANKは抗原刺激後初期のB細胞増殖を負に制御することが示唆された。
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