2007 Fiscal Year Annual Research Report
制御性樹状細胞のT細胞機能制御機構における分子作用機序の解明
Project/Area Number |
19590505
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐藤 克明 The Institute of Physical and Chemical Research, 樹状細胞機能研究チーム, チームリーダー (40301147)
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Keywords | 樹状細胞 / T細胞 / 免疫寛容 / 制御制樹状細胞 / アネルギーT細胞 / 制御制T細胞 / 免疫機能分子 |
Research Abstract |
in vitroで調製した骨髄細胞由来制御性樹状細胞のT細胞機能制御機構に関する分子作用機序を解明する目的で、DNAマイクロアレイ解析により骨髄細胞由来制御性樹状細胞に特異的に発現する分子の検索を行い、候補分子の一つとしてCD200受容体(CD200 receptor ; CD200R)分子群であるCD200R3を同定した。リアルタイムPCRおよびRT-PCRによる解析によりCD200R3のmRNAは骨髄細胞由来正常樹状細胞を含む白血球では発現が認められず、骨髄細胞由来制御性樹状細胞でのみ認められた。続いてCD200R3のcDNAクローニング後、CD200R3発現レトロウイルスベクターを作製してCD200R3発現細胞株を調製し、これをラットに免疫して抗CD200R3抗体を作製した。抗CD200R3抗体を用いたフローサイトメトリーによるタンパク発現解析の結果、上述のmRNAの発現と同様な結果が得られた。さらに、組換えCD200R3-ヒトIgFc融合分子およびCD200R3発現レトロウイルスベクターを用いて作製したCD200R3発現骨髄細胞由来正常樹状細胞を用いた機能解析からCD200R3は強力なT細胞アナジー誘導能を示すことを明らかにした。また、in vivoやin vitroでIL-10およびTGF-β1を処理したCD11c陽性樹状細胞ではCD200R3の発現誘導が認められ、骨髄細胞由来制御性樹状細胞とほぼ同等のT細胞機能制御機能を示すことを明らかにした。以上の結果から制御性樹状細胞のT細胞機能制御機構においてCD200R3が重要な役割を示すことを解明した。
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