2008 Fiscal Year Annual Research Report
制御性樹状細胞のT細胞機能制御機構における分子作用機序の解明
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19590505
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐藤 克明 The Institute of Physical and Chemical Research, 樹状細胞機能研究チーム, チームリーダー (40301147)
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Keywords | 樹状細胞 / T細胞 / 免疫寛容 / 制御性樹状細胞 / アネルギーT細胞 / 制御性T細胞 / 免疫機能分子 |
Research Abstract |
申請者は先にin vitroで調製したマウス骨髄細胞由来制御性樹状細胞の特異的発現機能分子としてCD200R3を同定した。本研究ではマウスにおいて内在性制御性樹状細胞の機能的同定を試み、末梢免疫寛容の誘導におけるその役割について検討した。マウスの脾臓、リンパ節、末梢血、骨髄においてCD200R3はCD49b^+細胞でのみ認められた。CD49b^+CD200R3^+細胞はマウス骨髄細胞由来制御性樹状細胞と同様にCD11b、CD11c、MHC class I、MHC class II、Thy1.2が陽性、CD3、CD40、CD80、CD86、B220、mPDCA-1が陰性であり、このフェノタイプは通常の樹状細胞を含む他の白血球とは異なっていた。CD49b^+CD200R3^+細胞は分離直後では球状形態を示したが、活性化により通常の樹状細胞と同様な樹状突起を有する形態を示した。サイトカイン産生能については通常の樹状細胞と比較してCD49b^+CD200R3^+細胞は刺激後の炎症性サイトカインの産生が減弱しているとともに抑制性サイトカインの産生亢進が認められた。CD49b^+CD200R3^+細胞は通常の樹状細胞と比較して抗原特異的T細胞活性化能は減弱し、高い制御性T細胞誘導能を示した。さらに、マウス実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルにおいてCD49b^+CD200R3^+細胞は病態特異的T細胞の活性化を制御して防御効果を示した。以上の結果からCD49b^+CD200R3^+細胞は内在性制御性樹状細胞として制御性T細胞が介在する末梢免疫寛容の誘導に重要であることが示唆された。
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