2007 Fiscal Year Annual Research Report
国立大学病院の診療、教育・研修および研究機能に関する評価指標の開発
Project/Area Number |
19590509
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伏見 清秀 Tokyo Medical and Dental University, 医学部附属病院, 准教授 (50270913)
|
Keywords | 診断群分類 / DPC / 難病 / 地域医療 / 稀少疾患 / 高度医療 |
Research Abstract |
本年度は、厚生労働省のDPC包括評価関連調査公表データ、研究代表者が作成したDPC地域医療データ、国立大学病院と臨床研修病院を含む24の民間病院から収集された約44万症例のDPC調査データから、傷病別の診療内容に関するデータベースを構築し、疾患像、診療水準、地域医療の3つの視点からの医療機関評価指標を個別の医療機関毎に作成し、国立大学病院と民間病院とを対比させる形で比較評価を行った。傷病名と手術等の診療行為の組み合わせで患者を分類するDPC (Diagnosis Procedure Combination)診断群分類を利用した疾患像の視点からの解析により、国立大学病院の入院患者は一般病院に比して1.05〜1.18倍複雑性が高いこと、Shannonの稀少性指数の分析では平均して約10^<0.12>=1.3倍程度より頻度の低い疾患を有し、高度の多様性を持つことが示された。診療水準の視点からの解析では、外科系学会社会保険委員会連合の手術難易度指標E2、E1の高難易度の手術の割合が、平均38%と高かったが、国立大学病院間では20〜70%と大きな違いが認められた。また、合併症の無い平易な手術後の抗生物質の使用量が大学病院間で最大8倍の違いがあり、一部の病院での過剰使用が認められた。地域医療の視点からの解析では、地方の国立大学の皮膚、血液、乳腺等の疾患での地域貢献度が大きいこと、がんや多発性硬化症の入院治療で地域患者の50〜80%を受け入れていることなど地域における重要な役割が明らかとなった。本研究により、急性期医療機関および研究教育機関としての大学病院を、高度医療、特殊疾患医療の提供状況、症例の多様性、医療提供の効率性と適正性、地域における貢献度等の指標により定量的に評価する方法が明らかとなり、機関運営リソースの配分や臨床教育研究機能の評価などに応用しうる可能性が示唆された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Journal Article] Cross-national comparative performance of three versions of the ICD-10 Charlson index.2007
Author(s)
Sundararajan, V., Quan, H., Halfon, P., Fushimi, K., Luthi, J. C. Burnand, B., Ghali, W.A.
-
Journal Title
Medical Care 45
Pages: 1210-1215
Peer Reviewed
-
-
-
-