2008 Fiscal Year Annual Research Report
国立大学病院の診療、教育・研修および研究機能に関する評価指標の開発
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19590509
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伏見 清秀 Tokyo Medical and Dental University, 医学部附属病院, 准教授 (50270913)
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Keywords | DPC / 臨床研修 / 医療費 / ケースミックス / 疾患稀少性 / 医療の標準化 / 医療の効率化 / 大学病院 |
Research Abstract |
本研究では、DPC包括評価調査データと研究代表者が作成、公表しているDPC地域医療データを用いて、複数の視点からの国立大学病院の機能に関する評価手法を開発した。疾患像の視点からの評価指標としては、我が国で開発されたDPC(Diagnosis Procedure Combination)診断群分類を利用したケースミックス分析の手法を用いて、(1)DPC分類単位毎の在院日数や医療費等の医療資源必要度を基準として患者の重症度を反映する複雑性指数、(2)DPC分類単位の総患者数から、それぞれのDPC分類単位毎の相対頻度の対数値を稀少性係数とするShannonの方法を用いて、疾患の稀少性を反映する稀少性指数を求めた。その結果、国立大学病院は一般病院に比べて、複雑性指数が約15%、稀少性指数が約20%高いことが示された。診療水準の視点からの評価指標としては、難易度の高い手術の割合を高度医療技術の提供指標として用いると、国立大学病院が一般病院より有意に高いことが明らかとなった。地域医療の視点からの評価指標では、悪性新生物、小児・産婦人科疾患、救急医療、難病等の稀少疾患の診療実績を、各病院の患者数の二次医療圏内全患者数にしめる割合としての患者マーケットシェアとして評価すると、多くの疾患で非常に高い値を示し、地域貢献が大きいことが示された。研修機能の視点からの評価指標としては、研修医あたり入院患者数と診療密度の解析から、研修機能と検査、画像診断、手術の診療密度が正の相関を持つことが示された。本研究で、既存データの活用により国立大学病院の諸機能の評価指標を作成することが可能であることが示された。
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Research Products
(11 results)