2008 Fiscal Year Annual Research Report
医学生の「死の教育」への模擬患者導入の教育的効果の研究
Project/Area Number |
19590510
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
植村 和正 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40303630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 七香 大垣女子短期大学, 幼児教育科, 講師 (90450840)
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Keywords | 死の教育 / 終末期医療 / 医学教育 / 模擬患者 / 自学自習用DVD |
Research Abstract |
本研究の目的は、自己学習可能な「死の教育」プログラムを開発し、それによって学生たちが(1)「医の倫理と生命倫理」を尊重する態度を獲得し、(2)自己決定権を含む患者の権利やインフォームド・コンセントのあり方を理解し、(3)終末期という困難な場面におけるコミュニケーション技能を効率的・効果的に習得することにある。 【具体的目標1〜5の進捗状況】 1、終末期臨床場面で医学生の不安や恐れを引き起こす要因の抽出と解析:「大阪大学臨老式死生観尺度27項目」を使って講義前と講義後の変化について101名からデータを取り、対応のあるt検定で分析した。7因子中3つの因子(「死後の世界観」「死への恐怖・不安」「死への関心」)で統計的に有意な変化が認められた。 2、終末期臨床場面における医学生の心理的・情緒的反応の抽出と解析:フォーカス・グループ・インタビューの発言分析から、医学生が終末期臨床場面に対して抱く不安には4つの相(Spiritual Aspects、Medical Aspects、Psychological Aspects、Social Aspects)があり、全体の根底には「未経験」という概念があることが判明した。 3、終末期の倫理的諸問題の理解を目的とした介入方法の開発と効果の検証:自由記述の発言をカテゴリーにわけ、検討を重ねている 4、模擬患者を用いた教育方法の開発とその効果の検証:3種のロールプレイスキットを男女二人の模擬患者が演じたものをDVD映像とし、講義中に教材として使用した。 5、効果的な自学自習用DVD教材の開発とその検証:「死の教育」プログラムの進行に基づいたDVD教材を試作した。 【学会発表など】19年度のデータを基に平成20年11月日本老年医学会東海地方会でポスター発表し、更に大垣女子短期大学紀要に速報として論文投稿、査読を経て現在印刷中である。20年度も同一傾向の結果を得ており、日本医学教育学会での発表を準備中である。
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Research Products
(13 results)