2008 Fiscal Year Annual Research Report
占領期の保健医療政策に関する考察 -GHQ文書の電子ファイル化による時系列分析-
Project/Area Number |
19590513
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
杉田 聡 Oita University, 医学部, 教授 (00222050)
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Keywords | GHQ / 占領史 / 保健医療史 / 医療政策 / 感染症 |
Research Abstract |
国立国会図書館憲政資料室に保存されている占領期関連資料のうち、連合国最高司令官総司令部公衆衛生福祉局(GHQ/SCAP/PHW)の行政文書の中には、Daily Joumalと名づけられた局内で回覧された文書が存在している。Daily Journalは、1945年10月から1952年まで原則として毎日発行され、公衆衛生福祉局の1日の活動内容、局から発信された無線文、指令、手紙、チェックシート、報告書等の一覧、記録用覚書(Memorandum for Record)のコピー、会議抄録等が収載されている。各日のDaily JoumalにはこのMemorandum for Recordの表題リストが存在しているが、必ずしもそのすべてが実際にコピーとして添付されてはおらず、また逆に表題リストには掲載されていないがコピーは存在するMemorandum for Recordもあることが分かった。そこで本年度においては、前年度に続き、Daily Joumalのデータベース化と収載文書の電子ファイル化を目的として、15万余にわたる全件の現存しているMemorandum for Recordの表題リストを完成させた。また、研究協力者とともに感染症対策のうちマラリアの撲滅運動を、日本側の資料とMemorandum for Recordの原文を解読・復刻することによって、時系列分析を行うことにより、保健医療政策の経過を分析するほか、GHQ文書中の統計資料と時系列の出来事の関連づけを行った。 また、Weekly Bulletinの添付資料を解読することにより占領期の伝染病統計、性病統計の都道府県別週別の死亡数・患者数の統計を分析し研究協力者である鈴木晃仁氏の協力の下、 Web上(http://www.rekishow.org/GHQ-PHW/)で全文を一般公開し、占領史研究に資することとした
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