2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗リウマチ薬投与に関連して発生する肺合併症に関する多施設症例集積研究
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19590530
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小池 竜司 Tokyo Medical and Dental University, 医学部附属病院, 准教授 (50250220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
針谷 正祥 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 客員教授 (20238207)
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (30157622)
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Keywords | 関節リウマチ / 抗リウマチ薬 / 薬剤性肺障害 / ニューモシスチス肺炎 / エタネルセプト / タクロリムス / データベース |
Research Abstract |
新規抗リウマチ薬であるエタネルセプト投与中の肺合併症の一つとして、日和見感染症であるニューモシスチス肺炎を対象に薬剤疫学的検討を進めた。最終的に16症例について、各症例の詳細な臨床経過や画像所見を検討し、対照群を設定して相関する背景要因を検計した。その結果、臨床経過では、これまで検討してきたインフリキシマブに合併した例よりも、病原体検出頻度が低い一方で重篤な傾向が認められた。相関要因は、インフリキシマブと同様に高齢、既存肺病変、ステロイド併用が抽出された。 次に、異なる新規抗リウマチ薬であるタクロリムス投与患者において、タクロリムス自体が肺障害を誘発したと推測される症例を集積し、それぞれの臨床経過、画像および検査所見、治療反応性と転帰について詳細な検討を行った。症例報告医療機関による研究グループを組織し、診断妥当性について協議した上で最終的に10例を集積した。それぞれの臨床所見は多彩で一定の傾向は認められなかったが、2症例では再投与によって急激かつ重篤な薬剤性肺障害が誘発されたことが観察された。また、アレルギー機序によると推測される好酸球性肺炎が誘発された症例が確認された。 さらに、こうした薬剤副作用や安全性に関する疫学調査を行う場合に、対照となる集団の情報集積が必要であるが、本邦ではこれまで相当するデータベースが整備されなかった。薬剤疫学的研究の信頼性を高め、今後のコホート研究に利用できることを視野に入れて、関節リウマチ患者の治療経過、背景情報、有害事象をデータベース化する研究(REAL研究)を継続進行しており、本研究の一部としても同データベースの整備や管理運営の支援を行った。
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