2008 Fiscal Year Annual Research Report
人間ドック受診者とてんかん患者1万例を対象とした副作用発現に関する多角的研究
Project/Area Number |
19590539
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中川 和子 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20284747)
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Keywords | トランスレーショナルリサーチ / 薬学 / 臨床 / 医薬品副作用 / 薬理遺伝学 |
Research Abstract |
1。人間ドック受診者を対象とした研究 (1)人間ドック受診者に対する副作用調査から、女性が副作用発現の独立したリスクであることを学会報告した(副作用発現頻度2.5倍、重症例3倍、用量依存性副作用発現頻度2倍、再発頻度2.1倍)。このような副作用発現に関る性差の検討は世界的にも例が無く注目に値する知見である。 (2)抗ヒスタミン薬の副作用発現に関る新たなCYP2D6低活性ハプロタイプを論文発表した。(3)熊本大学薬学部附属育薬フロンティアセンター(申請者は当該センターの育薬基盤研究分野長を兼任)と熊本県薬剤師会の700の薬局を結ぶ副作用調査ネットワーク構築に着手した。今後は、上記の調査に加えて、本システムを活用した薬剤師による独自の前向き副作用調査を展開する予定である。 2.てんかん患者を対象とした研究 (1)クロバザム治療におけるCYP2C19の遺伝子型-薬物動態-薬力学の関係を論文発表し、クロバザムによる肥満の頻度が日本人では欧米人に比べて高いこと、その理由としてCYP2C19の遺伝的欠損頻度が高いことを学会報告した。(2)CYP2C19とCYP3A5の遺伝子型がゾニサミドの母集団薬物動態に及ぼす影響を論文発表した。(3)SCN1A遺伝子多型とカルバマゼピン治療抵抗性の関係を論文発表した。(4)MRP2遺伝子型は抗てんかん薬の治療抵抗性に関係しないことを論文発表した。(5)抗てんかん薬の副作用発現と酸化ストレスの関係に着目し、SOD2遺伝子多型が抗てんかん薬による肝障害に関与することを学会報告し、新規抗酸化能評価法を開発して論文発表した。(6)弘前大学兼子直教授を代表者とする「遺伝情報に基づくてんかんの個別化治療法の開発」の薬物代謝酵素に関する遺伝子多型の解析を分担して、さらなる症例の収集と臨床情報-遺伝子多型の解析を展開中である。
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Research Products
(35 results)