2007 Fiscal Year Annual Research Report
オピオイド鎮痛薬関連遺伝子多型情報の個別化疼痛緩和治療への有用性
Project/Area Number |
19590540
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
大橋 京一 Oita University, 医学部, 教授 (20137714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 隆之 大分大学, 医学部, 教授 (90156183)
伊藤 寛晃 静岡県立静岡がんセンター, がん研究所, 副医長 (70443447)
内田 信也 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (80372522)
今井 浩光 大分大学, 医学部, 助教 (30398250)
立石 正登 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (20446123)
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Keywords | オピオイド鎮痛薬 / OPRM1 / MDR1 |
Research Abstract |
オピオイド鎮痛薬の薬効の大きな個人差には、オピオイド鎮痛薬の薬物動態関連遺伝子、受容体遺伝子の遺伝子多型が関与している可能性がある。フェンタニール、オキシコドンのオピオイド鎮痛薬服用患者(43症例)においてOPRM1遺伝子多型(17C>T、118G>A)、MDR1(3435C>T)とVASにて疼痛の程度、ねむけ、嘔気・嘔吐を評価し、便秘の有無についても検討した。OPRM1 17C>Tは全ての症例でC/Cであった。オピオイド投与により疼痛のVASは6.46から1,62と有意に減少しているが、OPRM1 118G>A遺伝子多型間には差を認めなかった。しかし、眠気、嘔気・嘔吐の出現率はG/Gにおいて極めて低値であった。一方、MDR1遺伝子多型間には差を認めなかった。さらに、多量のオピオイド鎮痛薬が無効であった1症例(小細胞肺癌)についてOPRM1の全領域(6672bp)のシークエンス解析を実施している。この症例ではOPRM1-172G>T,118A>Gにおいてヘテロ型の変異を有することが明らかとなった。以上からOPRM1遺伝子多型はオピオイド鎮痛薬の薬効、副作用の発現に関与するものと考えられた。しかし、OPRM1-172G>Tの変異については今後検討する必要がある。
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Research Products
(2 results)