2009 Fiscal Year Annual Research Report
心血管薬の薬効評価に資するヒト実験系と、臨床試験でのサロゲートマーカーの開発評価
Project/Area Number |
19590541
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
植田 真一郎 University of the Ryukyus, 医学研究科, 教授 (80285105)
|
Keywords | サロゲートマーカー / レニンアンジオテンシン系 / ヒト内皮機能 |
Research Abstract |
1. Fat emulsionによるヘパリンを併用した脂肪負荷による血中遊離脂肪酸上昇はLPL阻害薬paraoxon添加により正確な評価が可能で、その場合正常値の3倍程度であり、充分糖尿病や内臓肥満の脂質プロフィールの一部を反映していると言えることを見いだした。したがって脂肪負荷をこれらの疾患を想定したヒトでの実験モデルとして用いることは妥当であると考えられる。 2. 脂肪負荷実験および血液に脂肪酸を添加する実験から遊離脂肪酸の上昇は白血球の活性化を来すが、その少なくとも一部は白血球(単核球および多核球)のアンジオテンシン産生能の亢進、白血球内のアンジオテンシンタイプ1受容体を介していることが明らかになった。 3. LPS添加によりやはり白血球は活性化し、白血球アンジォテンシンII産生能は亢進した。またFFAはこれらの結果から遊離脂肪酸による白血球活性化やレニンーアンジオテンシン系活性化はLPS-Toll Like Receptor 4のような炎症性シグナル伝達を介している可能性が示唆された。ただしTLRのポイントミューテーションマウスを用いた実験ではFFAによるアンジオテンシンII産生亢進においてTLRの関与は証明できなかった。 4. FFAによる白血球の活性化はMyeloperoxidase遊離を介して、ヒト血管内皮機能を低下させている可能性が示唆された。 5. ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は健常人において遊離脂肪酸上昇による酸化ストレスの亢進を抑制し、内皮機能障害を改善した。レニンーアンジオテンシン系以外の経路も重要である。
|
Research Products
(4 results)