2007 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸トランスポーターを標的とする血管障害に対する新規治療戦略
Project/Area Number |
19590543
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
神崎 恒一 Kyorin University, 医学部, 准教授 (80272540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 久美子 杏林大学, 医学部, 実験助手 (60398592)
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Keywords | アミノ酸トランスポーター / LAT / 血管平滑筋 / 頸動脈 |
Research Abstract |
粥状動脈硬化病変の形成に対するアミノ酸トランスポーターLAT1の役割を検討する目的で以下の実験を行った。 1.培養血管平滑筋細胞(VSMC)におけるLAT1の発現の検討:通常の条件(DMEM+10%FBS)で培養したラット大動脈VSMC(RASMC)におけるLAT1の発現を抗LAT1特異抗体を用いてWestern blotによって検討したところ、非還元下で125kDの位置に、還元下で32kDの位置に(4F2hcとのヘテロダイマーが外れるため)、LAT1の特異バンドが認められ、本細胞においてLAT1が発現していることを確認した。 2.培養血管平滑筋細胞(VSMC)の増殖に対するLATの関与に関する検討:5%の血清刺激によっておこるRASMCの増殖に対して、LAT阻害薬であるBCHを添加したところ、濃度依存的に(5,10,25mmol/L)、添加2,4日後の細胞数の増加が抑制された。また、細胞生存性をMTT assayで評価したところ、同じBCHの濃度で(5,10,20mmol/L)細胞生存は低下した。このことから、LAT1はRASMCの増殖と生存性に必要なトランスポーターと考えられる。 3.バルーン傷害後内肥厚におけるLATの発現に関する検討:雄性Wistarラットの頸動脈を採取し、上記実験1と同様にLAT1の発現をWestern blotで調べた結果、190kDの位置(非還元下)と75kDの位置(還元下)にLAT1のバンドが認められた。また、総頸動脈にバルーン傷害を施し、形成される新生内膜におけるLAT1 mRNAの発現をreal time PCRによって調べた結果、障害3,7,14日後にLAT1 mRNAの発現が増加することを確認した。
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Research Products
(3 results)