2008 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸トランスポーターを標的とする血管障害に対する新規治療戦略
Project/Area Number |
19590543
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
神崎 恒一 Kyorin University, 医学部, 准教授 (80272540)
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Keywords | アミノ酸トランスポーター / LAT / 血管平滑筋 / 頸動脈 |
Research Abstract |
粥状動脈硬化病変の形成に対するLAT1の役割を検討する目的で、以下の実験を行った。 1.ラット培養血管平滑筋細胞RAVSMC)の増殖に対するLATの関与に関する検討:昨年報告したLAT阻害薬BCHによるRASMC生存性の低下と関連して、定量的ELISAによってアポトーシスの関与を検討した。その結果、BCH5,10,20mmol/Lを添加してもRASMCのアポトーシスに有意な増加は見られなかった。一方、BCHによる細胞周期に対する影響をFACS解析で検討したところ、5%の血清刺激に対して、BCH20mmol/Lを同時に添加した細胞では、GO-Gl期の細胞の割合が40%→55%に増加し、S-G2-M期の細胞の割合は60%→45%に低下した。すなわち、BCHの投与によって細胞周期は遅延するが、アポトーシスに対しては明らかな影響はない、との結果であった。 2.培養血管内皮細胞の増殖に対するLATの関与に関する検討:5%の血清刺激によるウシ頚動脈内皮細胞(BAEC)の増殖に対して、BCH10,20mmol/Lを同時添加し、3日後の細胞数を調べたところ、平滑筋細胞と同様、いずれの濃度でもBAECの細胞増加は抑制された。 3.バルーン傷害後内膜肥厚に対するLAT1阻害薬の効果についての検討:ラットの総頸動脈にバルーン傷害を施し、同時にLAT阻害薬BCHをpluronic gelを用いて傷害部位局所に投与した結果、傷害14日後の血管の新生内膜部分の面積は、BCH 100mg/kgの投与によって対照群(vehicle投与群)の約40%に低下した。さらに、新生内膜部分での細胞増殖をBrdU取り込み実験で確認した結果、同様にBrdUの取り込みは対照群の約40%に低下した。すなわち、LATを阻害することによって、バルーン傷害による内膜増殖は抑制されることが判明した.
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Research Products
(4 results)