2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症モデルマウスにおける慢性低酸素関連性の新規進行因子の研究
Project/Area Number |
19590550
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉田 治義 University of Fukui, 医学部, 教授 (80135574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 秀樹 福井大学, 医学部, 准教授 (20283187)
高橋 直生 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (30377460)
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Keywords | 糖尿病 / 糖尿病性腎症モデルマウス / 慢性低酸素 / 進行性腎障害 / 尿細管間質障害 / 血管透過性因子 / マクロファージ / 尿細管上皮細胞 |
Research Abstract |
教室保有の真空ポンプ式低圧性(0.5気圧)低酸素飼育装置にて、マウスの飼育を開始した。予備実験として、正常コントロールマウスを3日から1週間の比較的短期間、低酸素下で飼育したところ、近位尿細管上皮細胞とボウマン氏嚢上皮細胞の腫大と腎皮質領域での血管透過性因子VEGFの高発現が見られ、また、尿細管間質領域でのマクロファージの浸潤傾向を認めた。次いで、糖尿病性腎症マウスの研究に着手する直前に、多数のマウスを飼育したところ飼育室の密閉性が高いためマウスによる酸素消費が亢進し、10-11%の低酸素環境を維持できず、さらに酸素濃度が下降し死亡する状況が生じた。また、完全密閉性のために高湿度になり、多数のマウスの長期飼育には不向きであることが判明した。そこで改善策として、在宅酸素療法で用いる酸素濃縮装置を借用し、空気圧縮後の残余の低酸素濃度の空気を回収して定常的にアクリルチェインバーに流量2-3L/minで送風する、新たな低酸素環境維持装置を試作して、常気圧で10-11%の低酸素環境を定常的に作り出すことに成功した。本装置では、低酸素空気を一定流量で供給するため、チェインバー内で空気の循環が起こり、湿度の上昇を最小限に抑えることが出来るようになった。この結果、純粋な低酸素環境でマウスを長期間飼育することが可能になり、低酸素刺激によるマウスのHt上昇効果(56%⇒70%)を確認している。現在、この新しいチェインバーで2型糖尿病自然発症系のdb/dbマウス20匹を約1ケ月間同時に飼育し、低酸素環境による腎障害促進モデルの研究を開始したところである。
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Research Products
(3 results)