2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス防御反応を制御する転写因子Bach1の機能の臨床評価
Project/Area Number |
19590561
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石田 隆史 Hiroshima University, 病院, 講師 (40346482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 哲也 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40233100)
田代 聡 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20243610)
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Keywords | 酸化ストレス / 動脈硬化 / 血管 |
Research Abstract |
ヒト血管系細胞においてBaoh1はヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)発現誘導の規定因子であるか ヒト血管平滑筋細胞、ヒト臍帯静脈内皮細胞においてBach1の発現をsmall interfering (si) RNAでノックダウンすると、無刺激時のHO-1発現が数十倍に増加した。酸化ストレスによるHO-1の誘導もBach-1のノックダウンにより著明に増加した。これらの知見より、ヒト血管系細胞においてBach1がHO-1の発現を制御していることが示された。 HO-1発現誘導におけるBach1とNrf2の相対的影響力の検証 ヒト血管平滑筋細胞において、HO-1転写促進因子Nrf2を過剰発現させても、Bach1の存在下ではHO-1の発現に変化は見られなかった。また酸化ストレスによる刺激時のBach-1の核外への排出はHO-1発現に先行し、Nrf2の核内蓄積はHO-1発現よりも遅かった。これらの知見より、Bach-1の不活性化がHO-1発現の最初のステップであり、かつ必要条件であることが示された。 HO-1以外のBach1下流の細胞保護分子の探索 Bach1をノックダウンしたヒト血管平滑筋細胞の検討により、HO-1に加えてthioredoxin reductase1、 NADP(H) quinone reductase、 ferritinなどの抗酸化ストレス分子がBach-1により制御されていることが明らかになった。
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