2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス防御反応を制御する転写因子Bach1の機能の臨床評価
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19590561
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石田 隆史 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (40346482)
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Keywords | 酸化ストレス / 動脈硬化 / 血管 |
Research Abstract |
Bach1欠損は圧負荷による心肥大を抑制する Bach1ノックアウトマウスでは圧負荷による心肥大、線維化、ANP、 BNPの発現が野生型に比して減少しており、収縮能の低下も軽度であった。Heme oxygenase(HO)の阻害薬であるSnPPの投与により、これらのBach1ノックアウトマウスの表現型は有意に打ち消された。以上のことから、Bach1による転写応答、特にHO-1の発現調節が圧負荷による心肥大形成た関与していることが示唆された。 Bach1欠損は動脈硬化を抑制する Bach1ノックアウトマウスとApoEノックアウトマウスを交配させることにより、Bach1によるストレス応答の動脈硬化形成における役割を検討した。動脈硬化巣においてHO-1は強く発現しており、特にBach1ノックアヴトマウスにおいて顕著であった。Bach1欠損によりApoEノックアウトマウスにおける動脈硬化巣のサイズは有意に減少した。これには過酸化脂質のマーカーである8-iso-PGの減少が伴っていた。SnPPの投与によりBach1欠損による動脈硬化巣のサイズの減少、8-iso-PGの減少とも減弱した。Bach1欠損はHO-1の発現を介して動脈硬化形成を抑制していることが明らかとなった。 Bach1欠損は心筋梗塞後の左室リモデリングを抑制する Bach1ノックアウトマウスに対し心筋梗塞を作成したところ、梗塞範囲、左室拡大、線維化のいずれも野生型に比して著明に抑制されていた。Bach1が心筋梗塞後の左室リモデリングにおいて重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(5 results)