2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規腫瘍マーカー尿中ジアセチルポリアミンの臨床的意義および生化学的基礎の解明
Project/Area Number |
19590570
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
川喜田 正夫 Kogakuin University, 工学部, 教授 (00012740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 恭子 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (80181189)
高橋 慶一 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 客員研究員 (60443115)
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Keywords | 尿検査 / 腫瘍マーカー / 大腸がん / ポリアミン / ジアセチルスペルミン |
Research Abstract |
尿中ジアセチルスペルミンの腫瘍マーカーとしての臨床的有用性を明らかにし、実用的な新規腫瘍マーカーとして確立することを目的として、尿中ジアセチルスペルミンの高性能迅速測定法の開発およびジアセチルスペルミン値の測定を行い、以下の結果を得た。(1)ジアセチルスペルミン特異抗体を用いた、金コロイド凝集法による尿中ジアセチルスペルミン測定法の開発を進め、生化学自動分析機に搭載可能な試薬を作ることができた。この試薬の性能試験を行い、同時再現性、測定間再現性、添加回収率、検出感度、尿中物質による妨害の回避など、いくつかの観点から満足すべき性能をもつことを明らかにした。また、この試薬による測定値が、従来の酵素免疫測定法による測定の結果ときわめて良い一致を示すことを明らかにした。この試薬の開発は、尿中ジアセチルスペルミン検査の普及に向けて大きな意味をもつと考えられる。(2)金コロイド凝集法および、従来の酵素免疫測定法を併用して、都立駒込病院大腸外科で治療し、経過観察を継続している大腸がん患者から患者の同意を得て採取した尿検体について尿中ジアセチルスペルミン値を測定し、血清CEA値および患者の臨床経過と照合比較しつつ検討を行った結果、多くの症例では再発および病勢の昂進に伴ってジアセチルスペルミンとCEAがともに増加したが、両者が乖離する症例においては、ジアセチルスペルミンが患者の病勢をよりよく反映した動きを示す傾向があることが示唆された。このことは、尿中ジアセチルスペルミンが再発および病勢の指標、患者の予後予測の指標として優れた有用性をもつことを示す結果であると考えられる。
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Research Products
(3 results)