2007 Fiscal Year Annual Research Report
^<13>C-グルコース呼気試験によるインスリン抵抗性簡易診断法の開発
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19590572
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
松浦 知和 Jikei University School of Medicine, 医学部, 講師 (30199749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池脇 克則 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40287199)
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Keywords | 安定同位体 / 13C / インスリン抵抗性 / 呼気試験 / グルコース / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
本研究では、13C-glucose負荷/13CO_2呼気試験を、生体におけるグルコース代謝とインスリン抵抗性評価法として利用するための基礎的検討、および臨床的検討を行った。基礎的検討として、13C-glucoseの肝臓、筋肉での代謝を検討するため、バイオ人工臓器モデルを用いて、各臓器のグルコースの代謝シミュレーションを行った。バイオ人工肝臓では、13C-glucoseを培養液に添加し、一定の循環速度で還流し、経時的に排気中の13CO_2を測定した。13CO_2は鋭敏にバイオ人工肝臓の糖代謝を反映し、薬剤の影響をとらえることができた。また、筋肉でのグルコース代謝評価のため、マウス不死化筋原細胞を樹立し、人工筋肉の作製に着手した。臨床的には、被験者同意のもと、ヒトに経口的に100mgの13C-glucoseを投与して、呼気中の13CO_2を測定したところ、インスリンが放出されていない空腹時と、食事を投与したインスリン放出時で、異なる呼気13CO_2の動態を示した。空腹時では、インスリンの基礎分泌が定常状態での、肝臓、筋肉を中心としたグルコース代謝が反映される。この条件では、グルコースは肝臓グリコーゲンから供給される。また、食事によるグルコース負荷によって、インスリン分泌が誘導される条件でのグルコース代謝は、食事内のグルコースは多量であるため、インスリン分泌促進下で処理され、吸収され血液内に入ったグルコースは筋肉や脳で消費されるとともに、肝臓にグリコーゲンとして蓄えられる。実際に、食事の影響によって、13C-glucose代謝は、空腹時のeuglycemic条件と比較し遅くなり、呼気13CO_2のピークは食事負荷よって遅延し、ピーク値も空腹時より低くなった。インスリン抵抗性であれば、13CO_2のピーク時間は健常人より遅くなると考えられ、メタボリックシンドローム症例と健常例を今後比較検討する。
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Research Products
(5 results)