2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍マーカーモノクローナル抗体の遺伝子組換え植物による大量発現系の構築
Project/Area Number |
19590573
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
佐藤 浩之 Toho University, 理学部, 准教授 (80187228)
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Keywords | 遺伝子組換え植物 / モノクローナル抗体 / PIVKA-II / AFP / plantibody / 腫瘍マーカー / ペルオキシダーゼ / ワサビ |
Research Abstract |
本研究では、臨床検査に用いられるモノクローナル抗体を植物中において大量生産する事を目的としている。この発現系の利点は、生産の低コスト性と安全性にある。モノクローナル抗体を発現する遺伝子組換え植物株を作出すれば、その種子を畑に播くだけで植物は生長し、ハイブリドーマの培養に使われる高価なウシ胎児血清や、無菌管理された大型の培養装置などが不要になる。無菌培養技術も必要なく、一般的な農家の技術で良い。この事により、きわめて安全なモノクローナル抗体を、きわめて低いコスト(従来の1/100〜1/1000)で生産できると期待されている。 我々は19年度に腫瘍マーカー検査として頻用されているPIVKA-IIおよびAFPのモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを作成しその力価および特性を検討したところ、非常に高い特異性を有する事が確認されたが、力価が低く、実用化されているモノクローナル抗体と比して1/10程度であった。20年度はさらに別のハイブリドーマ株を作成し、現在引き続きそれらの力価および特異性を検討している。それと平行して、さきに得られているハイブリドーマ株からγグロブリンcDNAをクローニングし、その配列を決定した。それらを植物(タバコ)へ導入するべくAgrobacterium tumefaciens用のバイナリーベクターにサブクローニングを試みている。 また、本研究のもう一つの目的は、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)よりも酵素化学的性能の高い日本ワサビペルオキシダーゼ(WRP)のcDNAをクローン化し、それを遺伝子レベルでグロブリンcDNAと連結して、2次抗体の不要な抗体分子を作成する事である。現在得られている多数のWRPのcDNAは全部で8群にも分類され、現在は各WRPクローンの活性および、耐熱性など酵素化学的性質を解析している。21年度が研究最終年度であるため、なんとしても当初の目的を達成するべく全力をあげて研究を遂行する。
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