2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規核酸増幅法LAMP法によるヒトヘルペスウイルス迅速診断法の確立
Project/Area Number |
19590577
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Research Institution | Fujita Health University College |
Principal Investigator |
井平 勝 Fujita Health University College, 医療情報技術科, 講師 (10290165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 博子 藤田保健衛生大学, 医学研究科, 研究員 (10387714)
榎本 喜彦 藤田保健衛生大学, 医学研究科, 研究員 (00387713)
吉川 哲史 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (80288472)
浅野 喜造 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40131180)
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Keywords | HHV-6 / LAMP / Real time PCR / ウイルス分離 / IFA |
Research Abstract |
初年度の研究では、LAMP法の迅速性をさらに生かすため血清をサンプルとしてDNAの抽出過程を省略し直接血清中のウイルスDNAをLAMP法により検出する試みをおこなった。【目的】Human herpesvirus6(HHV-6)の初感染臨床像である突発疹は小児科の日常診療で極めてポピュラーな疾患であり、時に細菌性髄膜炎をはじめとしたより重篤な熱性疾患との鑑別が必要になる。いまだ有用な迅速診断法はなく、簡便なウイルス学的診断法に対する臨床家の要望は強い。【方法】発熱を主訴に外来を受診した小児213名を対象とした。保護者の了解を得た後、EDTA加末梢血と血清を採取した。採取された末梢血単核球からHHV-6分離を、血清からHHV-6LAMP法によるウイルスDNA検出を試みた。LAMP法は5μlの被検血清を96℃、30秒間熱変性した後、既に報告したプロトコールに従って行った。LAMP産物の検出はLA-200(Teramecs)による濁度測定で実施、濁度が0.1以上を陽性とした。【結果】213の被検検体中88検体からHHV-6が分離された。この88名の血清中80検体からHHV-6DNAが検出された。HHV-6LAMP法でウイルスDNAが検出されなかった8検体中4検体は電気泳動することにより陽性が確認され、さらに2検体はDNA抽出により陽性となった。残る2検体はDNA抽出後もHHV-6LAMP法は陰性であった。一方、ウイルス分離陰性の125検体中5検体で血清中ウイルスDNAが陽性となった。これら5名のうち2名はペア血清によりHHV-6抗体価の有意な上昇を認めHHV-6感染であったことが証明された。ウイルス分離を基準とした場合、HHV-6LAMP法による血清中のウイルスDNA直接検出法の感度は90.9%、特異度96.0%、陽性予測値94.1%、陰性予測値93.8%となった,【考察】末梢血単核球に潜伏感染するHHV-6では、血清中のウイルスDNA検出が活動性感染の証明となるとされており今回はそれを裏付ける結果となった。DNA抽出の省略により1時間以内で最終判定が可能であり、迅速診断としての有用性は高いと考えられる。また、血清診断を組み合わせることにより偽陽性検体は減少すると予測される。
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Research Products
(6 results)