2008 Fiscal Year Annual Research Report
胆嚢がん最多発国チリにおける本症発生に関わる遺伝的感受性の解析
Project/Area Number |
19590582
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
土屋 康雄 Niigata University, 医歯学系, 助教 (60334679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 正治 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018693)
中村 和利 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70207869)
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Keywords | 胆嚢がん / 環境-遺伝交互作用 / 遺伝子多型 / 胆石症 / 唐辛子摂取 / 症例-対照研究 |
Research Abstract |
チリにおける胆嚢がんの発生には、胆石の存在下で赤唐辛子摂取が関係していることが示されていることから、胆石形成と赤唐辛子の辛味成分であるカプサイシン代謝に関する遺伝子変異の頻度を調べ、胆嚢がん発生との関連を明らかにした。 研究デザインは、病院べース症例対照研究で、コントロール群として99名(男性28名、女性70名)の胆石、癌非保有の下肢静脈瘤、或いはヘルニア患者、患者群として144名の胆石症患者(男性25名、女性119名)と65名の胆嚢がん患者(男性8名、女性57名)を対象とした。 TaqMan SNP Genotyping Assay或いはAllele-specific PCR法を用いて、Apo B (rs693)、Apo E (rs429358, rs7412)、 CETP (rs708272)、 LRPAP1 (rs1799749)、 CYP2E1 (rs2031920, rs6413432)、 CYP2C9 (rs1799853, rs1057910)、 CYP3A4 (rs12721627)、 CYP1A1 (rs4646903, rs1048943)、CYP1A2(rs762551)、TP53(rs1042522)、GSTM1、GSTT1の計16遺伝子多型の頻度を検討した。 男性では、胆石症患者群に比べ胆嚢がん患者群のCYP1A1 rs4646903のC/T型とC/T+C/C型、及びCYP1A1 rs1048943のA/G+G/G型の頻度が有意に低かった。女性では、胆嚢がん患者群のApo Bの変異T/T型の頻度はコントロール群に比べ有意に低く、CETPの変異T/T型の頻度は胆石症患者群に比べ有意に高かった。これら以外の遺伝子多型の頻度には3群間の有意差は認められなかった。 チリ女性では、CETPの変異T/T型は野生C/C型に比べ5.04倍高いオッズ比(95%信頼区間、1.43-17.8)を示したことから、T/T型の存在が胆嚢がん発生と関係していることが示唆された。
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Research Products
(4 results)