2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590588
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
牧野 芳大 Oita University, 医学部, 教授 (60039930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江下 優樹 大分大学, 医学部, 准教授 (10082223)
湯 偉峰 大分大学, 医学部, 助教 (70404382)
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Keywords | 日本脳炎ウイルス / 大分分離株 / エンベロープ遺伝子 / 分子系統樹 |
Research Abstract |
2008年度は6月26日から12月13日までの期間,2週間毎にと畜場に搬入された大分県内で飼育されたブタの血清およびバフィコート(主に白血球分画)各225検体を採取した.血清は培養細胞(Vero)に接種しウイルス分離を行った.その結果7月24目に採取した血清から6株,7月31日に採取した血清から1株,合計7株の日本脳炎ウイルスを分離した.この7株について,ウイルス感染細胞培養上清からRNAを抽出し,エンベロープ遺伝子全体(1500塩基)の塩基配列を決定した.その結果7株中6株は全て同じ塩基配列であったが,1株は138番目の塩基が,T(他の6株はC)であった.推定されるアミノ酸は共にイソロイシンであり,アミノ酸に変異はないものと思われた.エンベロープ遺伝子をもとにしたベイズ法による日本脳炎ウイルスの分子系統樹を作成し過去の大分株および国内外のウイルス株と比較した.2008年の大分分離株は1995年以降の遺伝子型であるI型に分類された.さらにI型の中でも2007年の大分株と同じクレード(クレード1)に属することが判った.2005年,2006年は異なるクレードに属するウイルスが分離されたが,2008年は同一地区内で分離された7株であったためか,同じウイルス株による流行株と思われた.2008年は2007年流行株が引き続いて流行し,外部から持込まれた株ではないと思われた.バフィコートからのウイルス遺伝子の検出については,RT-PCRおよびnestedPCR法による検索を進めている.現在まで21検体について検索をおこなった.ウイルスが分離された6検体からのバフィコート分画からウイルス遺伝子が検出されている.
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Research Products
(4 results)