2008 Fiscal Year Annual Research Report
あまみ長寿地域における動脈硬化進展予防に関する環境・宿主要因の研究
Project/Area Number |
19590589
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
新村 英士 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80381177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶽崎 俊郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50227013)
宮田 昌明 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (00347113)
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Keywords | 動脈硬化 / 環境要因 / 遺伝子多型 / 予防 / 長寿 / 分子遺伝疫学 |
Research Abstract |
鹿児島県あまみ長寿地域の離島において、市町村が行った住民健康診査および職域健診を受けた一般住民のうち5121人から同意を得て血液採取、質問票調査及び動脈硬化測定を行い、動脈硬化に関わる環境要因の解析を行った。動脈硬化と正に関わる要因は、年齢、収縮期血圧高値、空腹時血糖高値、飲酒、BMI低値(<18.5)であった。また、60歳代における動脈硬化の割合には各離島間での地域差も認められた。血中脂質との関連についても解析を行った結果、喫煙が低HDL血症、運動が高HDL血症に関連していた。このように環境要因と動脈硬化および血清脂質との関係はこれまでに報告されている知見とほぼ一致する結果であった。さらに90歳以上の高齢者45人を含む115人を対象にDNA酸化ストレスの指標である80HdGを測定した。80HdG値は加齢とともに上昇し、生活習慣との関連では、90歳未満群では喫煙と正に、食酢摂取と負に関連していたが、90歳以上群では生活習慣との関連は認められなかった。また、DNAの酸化ストレスに対する修復酵素であるhOGG1遺伝子のSer326Cys遺伝子多型分布の解析を302人(90歳未満250人、90歳以上52人)に対して行った。90歳以上の健康長寿者群ではDNAの酸化ストレス修復活性が弱いCys/Cys型の遺伝子多型を持つ者の割合が90歳未満群に比べ明らかに小さかった。これらの結果は、長寿者では酸化ストレスに関して環境要因より宿主要因の関与が大きいことを示唆する重要な知見である。
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Research Products
(4 results)