2009 Fiscal Year Annual Research Report
単クローン抗体を用いた食中毒の迅速簡便検出法の開発
Project/Area Number |
19590594
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
北元 憲利 University of Hyogo, 環境人間学部, 教授 (70145928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 陽二 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (30305693)
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Keywords | 単クローン抗体 / 食中毒 / 鑑別診断 / ELISA法 / イムノクロマト法 / 外毒素 / 内毒素 / 迅速簡便 |
Research Abstract |
食の安全確保、早期予防・早期治療を行う上で、ELISA法、イムノクロマト法などによる迅速・簡便診断法の開発は重要な課題である。種々の食中毒細菌およびウイルスに対する単クローン抗体を作製し、網羅的な迅速・簡便・多検体・鑑別診断法の可能性を検討した。 ノロウイルスに対する迅速簡便な診断法はすでに確立している。本年度は、同科のサポウイルスに対する抗体を樹立し、ELISA法などに有用であることを確認した。また、E型肝炎ウイルスに対する抗体を作製したが、有用性に欠けることがわかり、再度、抗体を作成中である。 また、細菌に対する単クローン抗体のいくつかをこれまでに得ているが、本年度は新たに以下のような抗体を得ることができ、解析を進めた。(1) ベロ毒素産生菌:ベロ毒素に対する抗体であることを確認し、ELISA法に有用であることが分かった。(2) 黄色ブドウ球菌:エンテロトキシンに対する抗体であることを確認し、ELISA法に有用であることが分かった。(3) 病原性大腸菌:腸管病原性大腸菌に対する抗体を作製し、これまでに得た毒素原性(易熱性毒素)大腸菌と併せて現在解析中である。(4) セレウス菌:スフィンゴミエラーゼに対する抗体を作製し、これまでに得たホスフォリパーゼCと併せて現在解析中である。(5) ウエルシ菌:α毒素に対する抗体を作製し、これまでに得たコアグラーゼに対する抗体と併せて現在解析中である。(6) 腸炎ビブリオ:耐熱性溶血毒に対する抗体を確認することができた。(7) カンピロバクター:ジェジュニ菌およびコリ菌に対する抗体を得ることができた。(8)サルモネラ菌:LPSに対する抗体を得ることができ、現在解析中である。 ノロウイルスに対する抗体を用いた迅速簡便ELISA法およびイムンクロマト法の診断法はすでに開発しているが、本年度は、サポウイルス、ベロ毒素、エンテロトキシンなどの抗体がELISA法において有用であることを確認した。さらにイムノクロマト法への応用を検討中である。
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Research Products
(13 results)