2007 Fiscal Year Annual Research Report
有害化学物質によるp53を介したミトコンドリアの機能障害機構
Project/Area Number |
19590608
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
住澤 知之 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 産業生態科学研究所, 講師 (90206582)
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Keywords | 有害化学物質 / p53 / 毒性発現機構 / シグナル伝達 / ミトコンドリア / アポトーシス / アクリルアミド / SH-SY5Y細胞 |
Research Abstract |
1有害化学物質によるp53の転写活性化の検討(1)野生型p53を有するヒト神経芽細胞腫由来のSH-SY5Y細胞を用いて,p53の転写活性化による代表的な標的遺伝子の一つであるp21のプロモータ領域を用いたルシフェラーゼアッセイ系を確立した。この系を利用して,代表的な神経毒性物質であるアクリルアミド曝露によるp53の転写活性化の有無を検討した結果,有意なp53の転写活性化が認められた。(2)SH-SYsY細胞をアクリルアミドに曝露した際の,p53標的遺伝子であるBax,Noxa,Pumaの発現をイムノブロッティング法により検出した。その結果,Pumaに関しては,アクリルアミドの用量依存的に明らかな発現の増加が認められた。(3)しかしながら,p53依存的転写の阻害剤であるcyclicpifithrin-αによる前処理では,アクリルアミドのSH-SY5Y細胞における細胞毒性発現を抑制することは出来なかった。 2p53ノックダウン細胞株の樹立とその解析(1)SH-SY5Y細胞を用いて,ショートヘアピン型RNAを恒常的に発現させることによるRNA干渉で恒常的にp53タンパク質の発現を半分〜5分の1程度まで低下させた細胞株を樹立した。これらの細胞株のアクリルアミドに対する感受性をコントロール細胞株と比較したところ,WST-8アッセイでは差を認めなかったが,乳酸脱水素酵素(LDH)の細胞外漏出は抑制されていた。
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