2008 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児期の細菌刺激および化学物質曝露による成長後のTh1/Th2バランスへの影響
Project/Area Number |
19590612
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
山元 昭二 National Institute for Environmental Studies, 環境リスク研究センター, 主任研究員 (40230552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤巻 秀和 独立行政法人国立環境研究所, 環境リスク研究センター, 室長 (00124355)
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Keywords | アレルギー / 感染症 / 細菌 / 免疫学 / 有害化学物質 |
Research Abstract |
当該年度の年度計画では当初、(1)3週齢(離乳直後)のBALB/c系雄マウスにPGNおよびLTAを3日おきに2〜4週間点鼻投与(又は気管内投与)する。同期間中、同マウスにトルエン等の揮発性有機化合物を複数回腹腔内投与または吸入暴露する。同時にこれらのマウスにOVAを投与して、Th2側に偏向したマウスを作製する。そして、マウス成長後(8,12,16週齢時)の肺でのTh1系サイトカイン(IL-12,IFN-γ)・Th2系サイトカイン(IL-4,IL-5)の産生量や遺伝子発現レベル、トール様受容体TLR2,TLR4の遺伝子発現レベル、血中の総IgE,IgG1抗体産生量などの変化を調べ、幼児期におけるグラム陽性菌性の経気道刺激(菌体細胞壁成分による刺激)下での化学物質暴露がTh1/Th2バランスをどちら側に修飾するのかについて解析する。(2)3週齢(離乳直後)のBALB/c系雄マウスに黄色ブドウ球菌(又は連鎖球菌)を7日おきに4週間点鼻投与又は気管内投与する(対照群は生理食塩水を投与する)。同時にこれらのマウスに卵白アルブミン(OVA)をアジュバントである水酸化アルミニウムゲルと共に2週間おきに3〜4回腹腔内投与し、Th2側に偏向したマウスを作製する。マウス成長後(8,12,16週齢時)の肺でのTh1系サイトカイン(IL-12,IFN-γ)・Th2系サイトカイン(IL-4,IL-5)の産生量や遺伝子発現レベル、トール様受容体TLR2,TLR4の遺伝子発現レベル、血中の総IgE,IgG1抗体産生量などのレベルを対照群と比較し、Th1型応答の発達やアレルギーの抑制に対するグラム陽性菌経気道感染の作用の有無について解析する等を予定していた。しかしながら、(1)についてはトルエン曝露(5ppm,50ppm)時期を胎児期(妊娠14日-18日目)および乳児期(1週齢-2週齢時)に変更し、曝露方法は吸入曝露で行った。また、PGN刺激は胎児期が吸入曝露(計3回)とし、乳児期は腹腔内投与(計5回)とした。OVAによる感作は乳児期のみの腹腔内投与(計5回)で行った。そして、マウス3週齢時および11週齢時に解剖し、Th1/Th2バランス形成等への影響について、Th1,Th2反応に関係する血中Ig抗体や脾臓、肺でのサイトカイン産生(又はmRNA発現)等を指標に解析した。その結果、胎児期から乳児期にかけてのトルエン曝露は、マウス3週齢時にTh1反応を抑えてTh2反応を高める傾向を示した。PGN刺激との併用では、特に50ppmトルエン曝露群でTh1およびTh2系両方の反応を抑制した。(2)については、離乳直後の黄色ブドウ球菌投与はマウス成長後の肺においてアレルギー反応を
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Research Products
(3 results)