2008 Fiscal Year Annual Research Report
虚弱高齢者のふらつき・転倒と血清ビタミンD濃度との関連及び介護予防の介入研究
Project/Area Number |
19590621
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
奥野 純子 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50360342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸村 成男 浦和大学, 総合福祉学部, 教授 (60100955)
柳 久子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (10241811)
田中 喜代次 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50163514)
大蔵 倫博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60396611)
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Keywords | 医療・福祉 / 介護予防 / 血清ビタミンD / 特定高齢者 / 栄養摂取 / 腎機能低下 / ビタミンD補充 / eGFR |
Research Abstract |
平成20年度は、平成18年度から実施してきたプログラムを一部修正した。特定高齢者の多くは歩行能力の低下やバランス能力が低下していることから、特に下肢機能向上の強化プログラムを作成した。厚生労働省が提案している体力測定項目は3ヵ月間で変化を評価しづらいことから、バランス能力や筋力に敏感に反応する項目を追加し評価項目とした。これまでの評価項目では変化を評価することは困難であったが、新たに追加した項目では改善が見られ評価が可能となり、参加者の満足度も向上した。 運動教室において、運動のみならず栄養指導も行い包括的に行いその効果を検証している。「栄養チェック表」による食品摂取の評価と同時に新たに写真による評価を行い、グループ講和に加え個別の「栄養指導」を実施した。その結果、多様な食品摂取が行われるようになり、食品摂取が改善している群は身体機能も改善していることが明らかになった。 我々のこれまでの研究で地域在住の虚弱高齢者の血清25(OH)Dが50nmol/L未満の場合、身体機能低下と関連があることを明らかにしたが、ビタミンDとしてalfacalcidol1μg/日と乳酸カルシウム4g/日を3ヵ月間補充しその効果を検討した。教室開始時に血清25(OH)Dが50nmol/L未満の場合で、ビタミンD服用率80%以上の場合には、バランス能力や筋力が有意に改善していたが、開始時25(OH)D50nmol/L未満の場合、ビタミンDの補充効果は見られなかった。また、血清ビタミンD不足は腎機能低下と関連があることは海外の研究で報告されているが、日本での腎機能低下と身体機能との関連はあまり報告されていないが、推算糸球体濾過量(eGFR)とバランス能力と関連があることを明らかにした。
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