2007 Fiscal Year Annual Research Report
国際比較に基づいた大規模疫学研究による疾患リスクが平均余命延伸に与える影響の検証
Project/Area Number |
19590628
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
村上 義孝 Shiga University of Medical Science, 医学部, 特任講師 (90305855)
|
Keywords | 健康寿命 / 喫煙 |
Research Abstract |
NIPPONDATA90の男性データを使用して,喫煙経験別(非喫煙,喫煙経験あり)に生活活動動作(Activity of Daily Living:以下ADL)自立割合を算定,それらに基づいた障害なし平均余命(Disability FreeLife Expectancy:以下DFLE)を算出した。DFLEは,第20回完全生命表(2005年)を用いサリバン法により算定し,喫煙経験別のADL自立割合はNIPPONDATA90のデータから算定した。調査開始時の喫煙状況のデータから,喫煙経験のカテゴリを喫煙経験なし(非喫煙),あり(現在喫煙+禁煙)の2つとした。ADLはNIPPONDATA90開始10年後(2000年)に60歳以上の調査結果を使用した。ADL自立は調査5項目すべて自立とし,少なくとも1項目で半介助、全介助はADL非自立とした。対象者男性のうち喫煙歴の記載のない人,2000年以前に死亡した人,2000年ADL調査に参加しなかった人を除外した1,554人を対象とした。年齢階級別のADL低下割合は非喫煙,喫煙経験ありともに年齢が上昇するに従い増加し,90歳ではADL低下割合は非喫煙50.0%,喫煙経験あり42.9%となった。65歳のDFLEは非喫煙17.8歳,喫煙経験者17.6歳であり,同歳平均余命に占めるDFLEの割合は非喫煙98.5%,喫煙経験あり97.1%であった。年齢が上昇するに従い平均余命に占めるDFLEの割合が減少し,90歳では非喫煙50.0%,喫煙経験あり57。1%であった。喫煙経験別にみたDFLEの値は85歳以降では若干異なるものの,総じて非喫煙の方が喫煙経験ありより大きい傾向が見られた。本結果のDFLEの差異が喫煙だけによると断定できないものの,種々の曝露要因で喫煙の健康影響が大きいことは周知であり,本結果はそのインパクトを示したといえる。
|
Research Products
(1 results)