2008 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球膜・血清脂肪酸、血清・血漿イソフラボン、アディポネクチンと乳癌リスクの検討
Project/Area Number |
19590638
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
坂内 文男 Sapporo Medical University, 医学部, 准教授 (60325868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 建志 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50270989)
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Keywords | 乳がん / コホート研究 / 血清 / アディポネクチン / 一価不飽和脂肪酸 / 長鎖n-3多価不飽和脂肪酸 |
Research Abstract |
文部科学省の助成による大規模コホート研究(Japan Collaborative Cohort Study for Evaluation of Cancer Risk, JACC Study)において血清脂肪酸・高分子アディポネクチンレベルと乳がんリスクとの関連を、コホート内症例対照研究により検討した。対象者は、1988年から1990年に実施されたベースライン調査において、血清を提供していただいた40歳から79歳の女性約2万5000人の方々である。罹患については2001年まで、死亡については2003年まで追跡され同定された乳がん発生例を症例とした。なお症例1例に対し年齢、調査施設を一致させたコホート参加者約3例を対照とした。これまでの研究では、乳がん症例124例と対照434例について血清脂肪酸を分析し検討を行っている。 血清一価不飽和脂肪酸、およびオレイン酸(mol%)の最低三分位に対する最高三分位の多変量調整オッズ比と95%信頼区間(95%CI)はそれぞれ、0.56(95%CI0.31-1.00),0.57(95%CI0.32-1.03)であり血清レベルと乳がんリスクとの間に負の関連が認められた。また、ドコサペンタエン酸(DPA)と(SI)n-9(パルミトレイン酸/オレイン酸,SI:saturation index)での同様の検討では、オッズ比はそれぞれ、 1.92(95%CI0.99-3.71), 1.69(95%CI0.95-2.98)であり、血清レベルと乳がんリスクとの間に正の関連が認められた。特にベースライン時点で閉経前の女性でDPAレベルと強い正の関連がみられた。なお、閉経後女性では(SI)n-7(パルミチン酸/ステアリン酸)に有意な正の関連がみられた。作業仮説であった、長鎖n-3多価不飽和脂肪酸には負の関連は認められず、むしろ逆の関連を示す傾向がみられた。
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Research Products
(5 results)