2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本人循環器疾患へのメタボリックシンドロームの関与の検討
Project/Area Number |
19590639
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
斎藤 重幸 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (60253994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 浩文 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20359996)
宮崎 義則 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00372813)
島本 和明 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40136940)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 疫学 / 心血管疾患 |
Research Abstract |
2007年度は住民1865名の住民健診を実施した。今年度は一般健診に加えて、空腹時採血よりインスリン、CRP、アディポネクチン、Adipocyte fatty acid binding protein (A-FABP)など肥満、インスリン抵抗性、動脈硬化関連の内因性因子の測定を行い、MetSと非MetSにおける動脈硬化関連因子の差違を解析した。さらに本年度健診成績および1993年度健診成績より対象の内蔵脂肪蓄積型肥満、血圧高値、糖高値、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症を分類し、AHA/NHLB基準(2005)、日本内科学会基準(2005)によるメタボリックシンドローム(MetS)の頻度を検討した。また対象住民の心血管疾患発症と生命予後の調査を実施した。まず、2007年度健診成績からA-FABPに注目して解析するとA-FABPは男性14.4±0.6ng/ml、女性20.8±0.6ng/mlと女性が有意に高値を示した。A-FABPは、BMI、腹囲、体脂肪率、F-IRI、HOMA-IR(P<0.001)と有意な正相関を示した。総コレステロール、中性脂肪は正の相関(P<0.001、P<0.001)示し、HDLは負の相関(p<0.001)を示した。尿中アルブミン/クレアチニン比は正相関(P<0.05)を示した。A-FABPは、MetSは非MetSに比して有意に高レベルであり、MetSの血漿マーカーとしてのA-FABPの有用性が示唆された。次ぎに心血管疾患発症におけるMetSの関与を解析した。AHA/NHLBI基準でのMetSは全対象の31.3%、日本内科学会基準でのMetSは19.0%であった。平均4.8年間の経過で、心臓疾患・死亡は49例あり、AHA/NHLBI基準によるMetSの心疾患発生・死亡の相対危険度は、年齢、総コレステロール、喫煙を共変量に加えた解析で2.20(95%信頼区間(CI):1.14〜4.24(p=0.018))、一方、内科学会基準によるMetSの相対危険は、1.87(95%CI:0.87〜4.00(p=0.108))であった。MetSの診断基準により予後への関連が異なることが示された。
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Research Products
(4 results)