2008 Fiscal Year Annual Research Report
障害調整健康寿命(DALE)算出のための効用値の測定と評価指標としてのDALE
Project/Area Number |
19590650
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
栗盛 須雅子 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 客員研究員 (20433609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 吉治 山口大学, 医学部, 教授 (60252029)
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Keywords | 効用値 / 障害調整健康余命(DALE) / 加重障害保有割合(WDP) / 介護保険 / 評価指標 |
Research Abstract |
【研究開始当初の背景】介護保険統計を用いた障害調整健康余命(DALE)の算出には死亡と障害の統計、人口、および介護度別の「効用値(障害の重み)」が必要である。 DALEは、継続的に算出することにより、介護予防事業と介護予防サービスの評価指標として使用可能であり、国、都道府県、市区町村の保健福祉計画の評価指標としても利用可能である。 【研究の目的】介護度別の効用値を測定し、47都道府県の加重障害保有割合(WDP)とDALEを算出し、 DALEと年齢調整WDP、死亡率、社会経済指標、人口学的指標との関連について分析することとした。 【研究の方法】約3700ヵ所の介護保険事業所から1208ヵ所を無作為に抽出し、1ヵ所につき、3名分の調査票を郵送した。効用値は、1名につき無作為に組合せた2つの異なる介護度の一般的な健康状態について、4つの効用値測定尺度、5項目法(EQ-5D)、時間得失法(TTO)、基準的賭け法(SG)、視覚評価法(VAS)を用いて測定し、回答は1〜0間の効用値に置換した。効用値の信頼性は一元配置分散分析を行い、妥当性は対応のあるt検定を用いて検討した。 DALEの算出は、 Sullivan法で算出した。相関の解析にはSpearmanの順位相関係数を用い、統計学的有意水準は5%未満とした。 【研究成果】介護度別効用値は、専門家のVAS(視覚評価法)の平均値(介護度順、0.80、0.72、0.71、0.61、0.46、0.30、020)とした。65〜69歳の都道府県の加重障害保有割合(WDP)の平均値(人口千対)は、男性は10.7〜18.9であり、女性は8.9〜15.6であった。65歳の障害調整健康余命(DALE)は、男性は15.68〜17.72年であり、女性は19.33〜20.75年であった。 DALEとWDPの相関分析は、 DALEは多くの健康指標と有意な負の相関を示し、女性のDALEが多くの社会経済指標と有意な相関を示した。
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