2008 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品ならびに健康食品の有用性評価のためのメタアナリシス間接比較法の検討
Project/Area Number |
19590651
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
橋口 正行 Keio University, 薬学部, 准教授 (10271355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 眞弓 慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (60292679)
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Keywords | メタアナリシス / 医薬品 / 直接比較 / 間接比較 / 有効性 / 安全性 / 妥当性 / 論文評価 |
Research Abstract |
血液凝固阻止剤の臨床的有用性は引き続き検討中であり、本年度は間接比較法の妥当性について報告する。内容は臨床試験論文を用いた間接比較と直接比較の結果を比較することによる間接比較法の妥当性、シミュレーションによる間接比較に影響する要因の検討である。 妥当性の検討には、HMG-CoA還元酵素阻害薬のロスバスタチン(R)、プラバスタチン(P)、シンバスタチン(S)、アトルバスタチン(A)の有効性を評価している、ランダム化比較試験6報のデータを用いた。R対P、R対S、R対Aで比較を行い、直接比較はメタ解析の結果を用いた。R対Pの間接比較(inRE_<RP>)は、Aを共通対照薬とした3比較、Sとした9比較、R対SのinRE_<RS>は、Aを共通対照薬とした6比較、Pとした6比較を行った。R対AのinRE_<RA>は、Pを共通対照薬とした2比較、Sとした6比較を行い、計32の間接比較を行った。inRE_<RP>は共通対照薬Aで1.78〜1.98、Sで1.62〜2.06であった。inRERSは共通対照薬Aで1.24〜1.40、Pで1.20〜1.50であった。inRE_<RA>は共通対照薬Pで1.10〜1.12、Sで1.14〜1.31であった。間接比較の72%(23/32比較)でRの有効率がP、S、Aより有意に高く、直接比較と同様の結果であった。inRE_<RS>において、95%CIの幅は共通対照薬がAより、Pで95%CIの幅が広がる傾向がみられ、統計学的に有意差がなくなったものもあった。 以上より、間接比較には症例数および共通対照薬の有効率が影響することが明らかとなった。各薬剤1群の症例数が小さい、もしくは、共通対照薬の有効率が低い場合には、95%CIの幅は広がり統計学的に有意な結果とはなりにくいことがわかった。つまり、間接比較を行う場合には、用いる試験の症例数および共通対照薬の有効率を考慮すべきであることが示唆された。
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