2008 Fiscal Year Annual Research Report
触覚を活用した対話型の生活と健康の調査法;開発と応用
Project/Area Number |
19590657
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
守山 正樹 Fukuoka University, 医学部, 教授 (10145229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛島 佳代 福岡大学, 医学部, 助教 (10336191)
永幡 幸司 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (50312765)
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Keywords | 対話型調査法 / 生活の想起 / 触覚と触知 / 視覚障害者 / 盲ろう者 |
Research Abstract |
概要;視覚障がい者を主な対象として、ワークショップ、視覚障がい体験実習などの場面を活用し、触知実体マップ法によって生活と健康の実際の解明を進めた。 対象と方法;福島と福岡に在住の視覚障がい者11名を対象とした。視覚障がいの類型にはロービジョン・中途失明・盲ろう、を含む。ワークショップでは、参加者の生活、中でも食事・身体活動・社会性などに配慮し、7個の触知実体を準備した。触知実体を配列する座標軸は、前年の経験を元にして、「生活行動の頻度」および「生活行動の好み」の2軸とした。録音方法、映像撮影の可否については、ワークショップ前に、当事者と話し合い、倫理的基準の遵守を確認した。発言はデジタル録音の上、文字化して、質的な分析を行った。 結果と考察;ワークショップの特色は、司会者自らも視覚障がいと聴覚障がいという二重の障がいを持っていたことに、象徴されている。参加者は触覚を用いた二次元イメージ展開法により、日々の健康と生活に関する思いを形に表した。視覚や聴覚の何れかだけが障がいされた参加者に比較して、重複障がい者の場合は、触知配列作業がゆっくりと進行したが、作業の遂行自体にはそれほどの困難が無く、30分以内に作業を終了した。 参加者は、障がいの違いを乗り越え、生活についての思考を他の人々に伝え、互いに思考を共有した。多様な感覚世界に住む参加者が、その感覚世界の違いを超えて、生活と健康についての思いを交流できたことより、触知マップを用いる交流法は、多様な人々が共に語り学ぶことができる基本的で唯一の方法だと、位置づけられた。
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Research Products
(7 results)
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[Book] 老年腫瘍学2008
Author(s)
守山正樹(編集 ; 田村, 鍋島, 鈴宮)
Total Pages
6-12
Publisher
文光堂(東京)
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