2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590672
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西田 まなみ Hiroshima University, 技術センター, 技術専門職員 (60379914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈女良 昭 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (30284186)
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Keywords | 薬物中毒 / 毛髪 / 覚せい剤 / SPME |
Research Abstract |
本研究では、研究代表者らが検討している独自の技術である"誘導体化-固相マイクロ抽出法"を活用し、1cmの毛髪(頭髪、腋毛、陰毛など)1本から覚せい剤および合成麻薬を高感度かつ正確に検出し、薬物の使用履歴を把握して犯罪関与の未然防止に資することを目的とする。本年度は、高感度分析法を開発して至適条件の確立を目指すとともに、分析法の高精度化のための内部標準物質の合成を試みた。また、使用履歴を反映する毛髪試料の特定について検討を加えた。 毛髪からの覚せい剤の抽出は、誘導体化-固相マイクロ抽出法で行った。まず、アルカリ性緩衝液存在下で覚せい剤を塩化ギ酸プロピルで誘導体化した。次に、70℃で加温することにより、覚せい剤の誘導体を気相中からポリジメチルシロキサン(100μm、PDMS)ファイバーで抽出した。本法により、0.05ng/hairまで検出できるようになり、既報と比べても遜色ない方法が確立できた。ばらつきは1.04-26.4%となり、アンフェタミンの低濃度域ではばらつきが大きくなった。 分析精度の向上(ばらつきを小さくすること)を目的に、分析対象薬物に対応した重水素ラベル化合物の合成を試みた。まず、重水素無置換体をモデルに合成ルートを検索した結果、アンフェタミンは2行程で40%の収率、メタンフェタミンは4行程で45%の収率であった。 以上の結果を踏まえ、来年度はアンフェタミンのばらつきを改善するとともに全自動化実施の耐久性について検討を加える。また、MDMAなどの合成麻薬への適用についても検討を加え、薬物の摂取時期を特定し、使用履歴に反映できるかについて検討する。
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Research Products
(1 results)