2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590672
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西田 まなみ 広島大学, 技術センター, 技術専門員 (60379914)
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Keywords | 覚せい剤 / 毛髪 / SPME |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者らが検討している独自の技術である"誘導体化-固相マイクロ抽出法(SPME)"を活用し、採取した毛髪(頭髪、腋毛、陰毛など)を1cm単位で切断し、その1本から覚せい剤および合成麻薬を高感度かつ正確に検出し、薬物の使用履歴を把握して犯罪関与の未然防止に資することを目的とする。 本年度は、実際例へ応用するとともに至適な毛髪の種類覚せい剤などの薬物使用履歴の判断についての検討を行った。 1)実際例へ応用 覚せい剤摂取者の毛髪を1cm単位で切断し、本課題にて確立した方法にて分析を行った。毛髪1cmあたりのアンフェタミンとメタンフェタミンの検出下限は0.05ngと0.02ngであった。毛髪中の覚せい剤分布は、概ね摂取時期を反映した結果となった。 2)至適な毛髪の種類 脱色・染色した毛髪中の覚せい剤は減少傾向にあることが報告され、本検討においても同様の結果が得られた。覚せい剤使用者においても自然脱落した毛髪中に覚せい剤が検出困難な場合があった。本処置が及ばない陰毛を同時に分析することで、より精度の高い結果が得られると考えられる。 3)覚せい剤などの薬物使用履歴の判断 毛髪の生え替わる周期などを考慮すると、単に採取した毛髪中の覚せい剤分析結果のみから摂取時期を確定することは困難と考えられる。また、覚せい剤摂取直後の毛髪からの検出は困難であるなど、尿や血液など他の試料中の覚せい剤濃度などを総合的に判断する必要があると考えられる。
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