Research Abstract |
1)パラコート中毒モデルでは投与後好中球の浸潤が強く認められる5日目まで,とくにIL-6の高値(RNA発現レベルおよびタンパクレベル)が顕著に観察され,治療面での有用性を示唆した。 2)水浸拘束ストレスWRS)をマウスに負荷し,血中のIL-6,IL-10,IL-2,IL-13,TNF,IFN-Y,IL-12p70,MCP-1を測定した。ストレス(急性)により,IL-6,IL-10,TNFは有意に(p<0.05)上昇し,ストレス解放後1日で正常値に戻った。次に,この3種についてWRS6hにおける覚せい剤(MA)の影響を調べた。その結果,とくにIL-6はWRS下のMAで顕著な増加を示した。IL-10,TNFも同様な結果であった。またこれらの変化は血中コルチコステロンに直接関係するものではなかった。これは,MAの生体に対する影響がストレス下と非ストレ、ス下では大きく異なることを示唆するものである。 3)WRSでの胃粘膜での出血がMAによって有意に(p<0.05)抑制されることが分かった。一般にWRSとMAの作用機序はoverlapするが,このMAでの抑制機序は今後の検討課題である。 4)ICR系マウスでは,グルココルチコイドレセプター(GR)に多型が存在し,GR^<wt/wt>,GR^<wt/Qn>,GR^<Qn/Qn>に分けられる。自家繁殖して検討を始めているがGR^<wt>alleleがGR^<Qn>alleleに対してストレスに対する感受性が高いことが示唆された。 5)ヒトの職業ストレスとセロトニントランスポーターについて解析を行った結果,これまでの報告と一致する結果が得られた。しかし,血中サイトカインレベル(Th1/Th2)では変化がみられなかった。
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