2008 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージを標的とした炎症性疾患に対する治療方法の開発
Project/Area Number |
19590691
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 和博 名古屋大学, 医学部, 准教授 (60432275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 貴文 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80378041)
後藤 秀実 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10215501)
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Keywords | 伝統薬物 / 炎症 |
Research Abstract |
LPSにより活性化したマクロファージのviabilityを低下させる化合物を主に生薬成分からスクリーニングしたところdehydrocorydaline, praeruptorin A, 6-shogaolを同定した。Dehydrocorydaline, praeruptorin Aは活性化していないマクロファージのviabilityには影響が少なく、活性化マクロファージ特異的に作用することがわかった。6-Shogaolは活性化していないマクロファージのviabilityも低下させた。Dehydrocorydalineの方がpraeruptorinAと比べ活性化マクロファージのviabilityをより低下させたため、dehydrocorydalineの細胞死誘導の機序を検討した。その結果、dehydrocorydalineはマクロファージの活性化に伴うミトコンドリア膜電位上昇を妨げることで細胞内のATP量を枯渇させることがわかった。その詳細な分子機序については現在も解析中である。更にdehydrocorydalineは活性化マクロファージによるサイトカイン産生を抑制しLPSを投与したマウスの体重減少を改善した。In vivoにおけるdehydrocorydalineの詳細な効果についても現在検討中である。また活性化マクロファージ特異的作用を示さなかった生薬成分の中から胃癌細胞のviabilityを低下させる6-shogaolを見い出した。6-ShogaolはtubulinのSH基と特異的に反応することでtubulinに結合し、その重合を妨げることで胃癌細胞の微小管を破壊した。更にマクロファージを標識する蛍光色素を検索したところ、これまでカルボン酸の標識に用いられていた蛍光色素NBD-PZがlysosomesを介してマクロファージを蛍光標識することを発見した。
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