2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590694
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
住吉 真帆 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 研究員 (60444767)
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Keywords | 創傷治癒 / 天然物由来化合物 / 紫外線 |
Research Abstract |
1.マウス熱傷モデルを用いた創傷治癒促進効果をもつ天然物由来化合物の検索 低濃度の赤升麻(Astilbe thunbergii)成分Eucryphinが、熱傷治癒促進作用をもつことを、マウス熱傷モデルを用いて明らかにした。そのメカニズムを明らかにするために、創傷部滲出液中のサイトカイン濃度を測定し、Eucryphin塗布群において、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、単球走化活性因子(MCP-1)、インターフェロン(IL)-1β濃度が上昇していることを確認した。そのメカニズムとして、Eucryphinが角化細胞のVEGFおよびTGF-β1の産生量、THP-1マクロファージ細胞のTGF-β1の産生量を上昇させることを明らかにした。このような生体のもつ再生能を向上させることによって創傷治癒を促進する天然物由来化合物は、安全性の高い治療薬創薬のシード化合物として非常に有用であると考えられる。 2.紫外線照、射による炎症、老化に対して皮膚保護作用を有する天然物由来化合物の検索 紫外線による炎症、老化などの皮膚障害を防ぐため、日焼け止めとして紫外線吸収剤および遮断剤が使用されているが、紫外線吸収剤そのものの皮膚への刺激や、遮断剤の紫外線防止効果の限界が指摘されており、これらと異なる作用メカニズムをもち、低刺激の化合物の開発が望まれている。そこでUVB照射による炎症、老化に対して効果を示す天然由来化合物を検索するために、ウコンエキスおよび黒砂糖非ショ糖分画についてヘアレスマウスを用いたUVB照射実験を行った。ウコンエキスを経口投与、また黒砂糖非ショ糖分画を塗布することにより、UVB照射による皮膚肥厚、弾力性の低下、およびしわ形成が抑制され、また皮膚中のVEGF、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の発現量も抑制された。
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Research Products
(5 results)