2008 Fiscal Year Annual Research Report
職業性ストレス負荷とリラクセーションによる酸化ストレスの動態
Project/Area Number |
19590706
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
永田 頌史 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 産業生態科学研究所, 教授 (10108722)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛西 宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (40152615)
|
Keywords | 職業性ストレス / リラクセーション / 酸化的DNA損傷 / 断眠 / アルコール負荷 |
Research Abstract |
1. 断眠による高次認知機能及び8-OH-dG、ストレス指標の変化 夜間断眠施行前後の計5日間、9時と21時(計10回)に、高次認知機能の評価に用いられる4種類のテスト(PASAT、RST、CPT、WCST)を行った。また、単純作業として、足し算や、単語の記憶力の検査を実施した。単純作業は断眠の影響を受けなかったが、高次認知機能は断眠後、著明に低下し回復に2日間の睡眠(7時間)が必要であった。眠気は断眠後1日の睡眠で回復したが、疲労感の回復には2日間の睡眠が必要であった。尿中8-OHdGは断眠前後で有意な変化はみられなかった。 2. ALDH2遺伝子ヘテロ保有者へのアルコール負荷後の気分、ストレス指標の変動 ALDH2遺伝子(活性型/非活性型)と不安特性(STAI)により、男子学生21名を4群に分けて、アルコール摂取(0.8/Kg)後の血中エタノール濃度、アセトアルデヒド、MHPG濃度の変化と気分の変動、尿中8-OhdGなどの変動との関連を検討した。アセトアルデヒド濃度は、非活性型が活性型と比較し0.5,1,2,3,4時間後で有意に高かった。社会不安(LSAS-J)得点は、高特性不安×非活性型グループで、アルコール負荷0.5時間後に有意に低下した。アセトアルデヒド濃度は、状態不安やストレス反応との関連は見られず、尿中8-OHdG濃度も有意の変化は見られなかった。 3.自律訓練法(AT)が酸化ストレス指標に及ぼす長期効果の検討 AT未習熟者10名を対象にATを指導し、2ヶ月間毎日続けた場合の長期的効果を検討した。EU-SOD活性、ニトロタイロシン、TBARS、8-isoPGF2α(脂質酸化の指標)の軽度改善が見られた。 4.酸化的DNA損傷と肝機能、動脈硬化危険因子との関連 某自治体職員292名を対象とした調査で、50歳以上の群において、尿中8-OHdGが有意に高かった。尿酸値異常値群において、尿中8-OHdGが有意に高かった。また、喫煙者、空腹時血糖が境界型、糖尿病型のものは、非喫煙者で空腹時血糖正常者と比較して、尿中8-OHdGが有意に高かった。
|
Research Products
(10 results)