2007 Fiscal Year Annual Research Report
核内受容体および受容体型チロシンキナーゼを標的分子とした癌化学予防に関する研究
Project/Area Number |
19590720
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森脇 久隆 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 教授 (50174470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 雅仁 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (90402198)
山田 泰広 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70313872)
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Keywords | 核内受容体 / 受容体型チロシンキナーゼ / 大腸癌 / 肝臓癌 / レチノイド |
Research Abstract |
本研究は、ヒト消化器発癌における核内受容体の修飾異常と、受容体型チロシンキナーゼ(RTK)の発現・機能異常の関連について検討し、これら分子の機能を正常化(回復)することによって、臨床的に有益な発癌予防法の開発を目指すことを目的としている。我々は今年度の研究で、レチノイド核内受容体RXRはリン酸化修飾を受けることで二最体形成能と転写活性が低下し、それらの結果として癌細胞の増殖亢進が起こること、またRTKとその下流分子であるRas/MAPKの活性が、RXRのリン酸化を引き起こすことを確認した。次に、ヒト大腸癌、肝癌、膵癌の細胞株におけるRXR蛋白の異常修飾(リン酸化)と、RTK familyに属するEGFR、HER2、HER3、IGF-1R、VEGFRの発現状態についてスクリーニングを行うとともに、これら細胞株のnude miceに対する生着能力について検討した。また、RXRのリン酸化修飾を阻害するとともにレチノイドを投与することによって、リン酸化RXRが高発現しているヒト大腸癌細胞や白血病細胞に増殖抑制が起こることを報告した。更には、EGFR、HER2、およびリン酸化RXRを強発現する肝癌細胞株HLFを、RXRのリガンドである9cisレチノイン酸と抗HER2モノクロナール抗体であるTrastuzumabで併用処理することによって、相乗的なアポトーシスの誘導と腫瘍細胞の増殖抑制効果が期待できることを明らかにしたが、これらの発見は、RTKやその下流シグナル(Ras/MAPK)を阻害し、RXRのリン酸化修飾に伴う機能異常を修復することが、種々の発癌予防に結びつく可能性を示唆するものであり、今後、発癌予防研究を進めていく上で重要かつ有意義な研究結果と考えられた。
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Research Products
(11 results)