2007 Fiscal Year Annual Research Report
Stem cell biology に立脚したバレット腺癌の成因の解明
Project/Area Number |
19590723
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
木下 芳一 Shimane University, 医学部, 教授 (30243306)
|
Keywords | バレット食道 / 胃食道逆流症 / 幹細胞 / 分化 / 腸上皮化生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、骨髄由来の移植幹細胞が食道粘膜の炎症と再生過程でバレット上皮へ分化するかどうかを検討するものである。2007年度はレシピエントとなるバレット食道発生モデルの作成と解析を中心に実験を遂行した。バレット上皮発生モデルは、上部空腸と胃を吻合し胃液のみならず十二指腸液が豊富に逆流するモデルを選択した。当初はマウスでモデル作成をおこなう予定であったが、手技上の問題点からWistar系ラットに変更して実験を継続している。モデル作成後は経時的に食道を摘出しHE染色による病理組織学的な検討をおこなうとともに、円柱上皮の形質についてはConA、 GOS、 HID-ABなどの粘液染色、細胞増殖帯の観察はBrdU染色、幹細胞同定はMusashi-1染色でおこなった。術後20週頃からヒトのバレット食道に特徴的な特殊円柱上皮様細胞が確認され、粘液染色によって粘膜表層は胃腺か細胞様上皮、深部は胃幽門腺様上皮が同定され、杯細胞の混在も確認した。細胞増殖帯は扁平上皮では基底層にあったが、バレット上皮出現とともに腺管中間帯に移行した。幹細胞についえてはMusashi-1染色によって現在同定中である。ラットを用いたバレット食道モデルが安定して作成可能となったので、次年度からは骨髄由来細胞の移植実験と移植細胞の生着と分化を観察する。
|