2008 Fiscal Year Annual Research Report
Stem cell biologyに立脚したバレット腺癌の成因の解明
Project/Area Number |
19590723
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
木下 芳一 Shimane University, 医学部, 教授 (30243306)
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Keywords | バレット上皮 / 杯細胞 / 骨髄 |
Research Abstract |
平成20年度は、本研究の基礎となるバレット上皮が発生するラット逆流性食道炎モデルの作製、炎症食道粘膜におけるバレット上皮への分化誘導因子に関する研究をおこなってきた。ラット逆流性食道炎モデルについては、移植実験に用いることができる安定した手技が得られておらず、移植実験を念頭において今後も継続的に研究をおこなっていく。分化誘導因子については、マイクロアレイを用いた網羅的解析によって、間葉系細胞から分泌されるいくつかの候補遺伝子を選定した。中でも、heparin-biding EGF(HB-EGF)はマイクロアレイ解析で最も有意な遺伝子として同定された。食道扁平上皮に繊維芽細胞由来のHB-EGFを作用させると、CDXなどの円柱上皮への分化を誘導する転写因子の発現が認められ、種々の腸上皮マーカーの発現も誘導された。バレット上皮への分化誘導因子に関する知見は論文にまとめ現在投稿中である。また、CDXによるバレット上皮誘導に関してはGutに投稿し受理された。平成21年度は、骨髄移植細胞のバレット上皮への分化の過程を逆流性食道炎モデルを用いて検討していく予定である。
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