2007 Fiscal Year Annual Research Report
食道扁平上皮癌における Mc1-1制御機構解明とその臨床的意義
Project/Area Number |
19590728
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
磯本 一 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90322304)
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Keywords | 食道扁平上皮癌 / Mcl-1 / stat3 / IL-6 / microRNA / miRNA-205 / JAK / epigenetics |
Research Abstract |
食道扁平上皮細胞株を用いて、リン酸化STAT3、Mcl-1抗体を用いて、Western blotで解析した。正常食道扁平上皮由来細胞に比べ、STAT3のリン酸化、Mcl-1の発現は亢進しており、また持続時間もながかった。これらは、JAK阻害剤AG490で抑制されたことから、Mcl-1発現のJAK-STAT3 pathwayの関与が示唆された。Mcl-1発現はrealtime-PCRでも確認した。IL-6投与後、リン酸化STAT3、Mcl-1発現が共に亢進したことから、IL-6によるJAK-STAT3シグナル伝達系の亢進が示唆された。 Mcl-1発現の制御機構として、micro RNA (miRNA)の関与が報告されており、今年度は食道癌におけるmiRNA発現プロファイルを行った。扁平上皮癌株と正常上皮株からsmall RNAを抽出し、miRNA arrayによって網羅的に解析した結果、miRNA-205が食道扁平上皮癌で特異的に発現亢進していることがらかった。Realtime PCR及びNorthern blotでもこの発現亢進を確認した。アンチセンスやmiRNA-205前駆体を遺伝子導入した機能実験では、細胞増殖やポトーシスと関与は明らかでなかった。胆汁酸や塩酸処置、IL-6投与でも明らかな変動はなく、miRNA-205発現の調節因子は明らかではない。ヒト食道癌での発現も調べたが、正常部に比し癌部で寧ろmiRNA-205発現が低下しており、in vitroの結果とは異なっていた。
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