2009 Fiscal Year Annual Research Report
食道扁平上皮癌におけるMcl-1制御機構解明とその臨床的意義
Project/Area Number |
19590728
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
磯本 一 Nagasaki University, 大学病院, 准教授 (90322304)
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Keywords | microRNA / STAT3 / Mcl-1 / epigenetics / SOCS3 / microRNA-205 / microRNA-10a / 上皮間葉転換 |
Research Abstract |
STAT3-Mcl-1経路の負の制御因子SOCS3をターケットとするマイクロRNA(miR)がmiR-205である。実際、我々は、食道扁平上皮癌(SCC)特異的に発現するmiRとして、miR-205を同定した。SCC特異的なmiR-205に対するPre-miR-205(precursor)、Anti-miR-205(Inhibitor)をSCC細胞導入し、増殖能(cell count、MTT assay)、アポトーシス(TUNEL、DAPI staining)、浸潤能(マトリゲルでのmigration assay)、遊走能(wound healing assay)を検討した。Anti-miR-205、Pre-miR-205による機能解析では、増殖やアポトーシスに有意な影響は及ぼさなかったが、Pre-miR-205によりマトリゲル浸潤細胞数が有意に(p<0.01)減少した。miR-205と共に、EMTに深く関与するmiRとしてmiR-200ファミリーが同定されている。その中で、miR-141或いはmiR-200cのprecursorを細胞導入すると、N-cadherinの発現が増加した。一方これらのAnti-miRはE-cadnerin発現を減弱する。wound healing assayの結果では、明らかな影響はみられなかった。一方、DNAメチル化とmiR発現のepigenetic制御をSCCで解明するのも本課題の1つの目的であったので、SCC細胞OE21にデオキシシチジン(5-aza)、トリコスタチンA(TSA)を作用させ、前後での発現変化をrealtime PCRで調べた。その中で、miR-10aは食道腺癌細胞に比べ、SCCで有意に発現の低下がみられた上に、5-aza添加で2倍、5-aza+TSAで約3倍発現が増加した。
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