2007 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患におけるヘムオキシゲナーゼの抗炎症作用に関する検討
Project/Area Number |
19590735
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
中道 郁夫 Kyushu Dental College, 歯学部, 助教 (60419570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 主之 九州大学, 大学病院, 助教 (10278955)
矢田 親一朗 九州大学, 大学病院, 助教 (00346800)
飯田 三雄 九州大学, 医学研究科, 教授 (00127961)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / ヘムオキシゲナーゼ / マクロファージ / サイトカイン |
Research Abstract |
本研究ではDSSを用いたマウスの実験腸炎を再現することから始まった。条件検討の結果、4%のDSSを7日間投与して評価する事とした。ヘムオキシゲナーゼ1(以下HO-1)の腸管での発現誘導はヘミンという薬剤を用いて行うことができた。HO-1を腸管にて過剰発現させたマウスはDSSにより誘発される腸炎に抵抗性を示し、HO-1の抗炎症作用が示唆された。また腸管内ではインターフェロンγが低下しており、Th1型のリンパ球による炎症が抑制された可能性が考えられた。免疫染色からはHO-1がマクロファージで発現していることが確認されたので、機能解析にはマクロファージ系の培養細胞を用いる事にした。HO-1を過剰発現した培養細胞の機能を解明するために、発現アレイによる網羅的解析をしたところ、やはりインターフェロンのシグナルやその下流の転写因子であるSTAT1が抑制されていることが示唆された。マクロファージからはリンパ球をTh1型へ分化誘導するサイトカインであるIL-12が分泌されているが、その分泌にはインターフェロンγが重要である事やHO-1が分泌を抑制することも分かった。HO-1を恒常的に過剰発現する細胞株を新たに樹立したところ、STAT1の転写やリン酸化が抑制されていたことが分かった。現在はSTAT1欠損マウスを用いて、この抗炎症機構を検証中である。
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Research Products
(2 results)