2008 Fiscal Year Annual Research Report
低分化型大腸癌由来細胞株の分化誘導による腸管上皮発生と癌転移メカニズムの解析
Project/Area Number |
19590736
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
江崎 俊彦 Keio University, 医学部, 講師 (20255425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 紀文 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50129623)
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Keywords | 腸管上皮分化 / 大腸癌転移 / 細胞接着 / 腸管上皮再生 / 癌関連遺伝子 |
Research Abstract |
初年度(平成19年度)に得られたMicroarrayのデータをもとに、Desmocollin-2,E-cadherin,Beta-,Alpha-,Gamma-cateninの発現量の変化をWestern blotならびにReal-Time PCRを用いて確認した。 Desmocollin-2はCdx遺伝子導入によりその発現量が増加していることが、Western blotとReal-Time PCRでも確認された。Desmocollin-2のpromoter regionを用いたpromoter activityの検討では、導入するCdx遺伝子の用量依存的にDesmocol lin-2 promoterの活性の上昇ぶ認められ、Cdx遺伝子によるDesmocollin-2の発現上昇は、Cdx遺伝子が直接誘導している可能性が示唆された。 E-cadherinをはじめとするAdherens junctionを構成する因子はReal-Time PCRやWestern blotでもその発現量に差が認められなかった。しかしながら、抗E-cadherin抗体を用いたimmunoprecipitationでは、Cdx遺伝子を導入されたColo205において、明らかにp120-cateninとE-cadherinの結合が弱くなっていることが確認された。またこの現象は、抗Beta-catenin抗体、抗p120-catenin抗体を用いたimmunoprecipitationでも確認された。以上のことから、Cdx遺伝子の導入によりもたらされるColo205細胞の細胞接着能獲得は、E-cadherinとp120-cateninとの結合が減弱することにより引き起こされている可能性が示唆された。
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