2008 Fiscal Year Annual Research Report
バレット上皮発生におけるNotchシグナリングと胆汁酸の役割の検討
Project/Area Number |
19590737
|
Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
安田 博 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 准教授 (80262129)
|
Keywords | バレット上皮 / レチノイン酸 / アクチビン |
Research Abstract |
食道重層扁平上皮から不完全腸上皮化生を伴う特殊円柱上皮への変換はパレット上皮を特徴付けるものであるが、その機序の詳細はなお明らかではない。各種食道癌細胞(TE-1,4,10,11,15,16)を用いて重層扁平上皮を腺上皮に変換させる因子を検討した。レチノイン酸がTE-4細胞を腺房様の増殖を引き起こした。また腺上皮の基本的転写因子であるCdx2発現を増強した。更にTGFβファミリーの一員であるアクチビンAもCdx2発現を増強し、その作用はレチノイン酸と相加的であった。TE-4細胞ではアクチビンI型およびIIb型受容体の発現を認めた。アクチビンの作用は抑制性SmadであるSmad7をアデノウイルスで強制発現すると抑制されたことからSmad経路を介していると考えられた。レチノイン酸とアクチビンが扁平上皮から腺上皮への変換に関与する可能性が示唆された。 パレット上皮は成熟した扁平上皮が腺上皮に変換するのか、あるいは未分化な幹細胞が関与しているのか詳細は不明である。レチノイン酸とアクチビンで形質変換させたTE-4細胞での腸上皮特異的ムチンであるMUC2の発現細胞は僅かであった。ところで大腸癌や膵癌など様々な幹細胞のマーカーであるCD133隅性のTE-4細胞を磁気ビーズカラムでTE-4で分離すると約2%に認めた。CD133陽性TE-4細胞にレチノイン酸とアクチビンを添加培養するとMUC2陽性細胞が著増した。CD133がバレット上皮となる幹細胞である可能性が示された。
|
Research Products
(5 results)