2007 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌におけるインターフェロン産生キラー樹状細胞の治療効果と臨床応用
Project/Area Number |
19590738
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
廣石 和正 Showa University, 医学部, 講師 (80296996)
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Keywords | 樹状細胞 / ナチュラルキラー細胞 / インターフェロン / 免疫療法 / 抗腫瘍効果 / インターロイキン / TNF / FLT-3リガンド |
Research Abstract |
近年、B220+,CDIlcint,NK1.1+,CD49b+,Gr-1-という表面マーカーの特徴を有する特定の樹状細胞の集団は、IFN-γを大量に産生し、TNF-related apoptosis-inducing ligandを介して直接腫瘍細胞を傷害し、さらに、in vivoで腫瘍の発育を抑制することが報告された。この樹状細胞のサブセットは、IFN産生キラー樹状細胞(IKDC)と呼ばれており、樹状細胞は抗原提示細胞として免疫応答の誘導調節に重要な役割を果たすだけでなく、エフェクター細胞としての機能を果たすサブセットとして注目されている。 平成19年度は、マウスの脾臓からIKDCの誘導を試みた。C57BL/6マウスより脾細胞を分離し、まずCD4陽性細胞、CD8a陽性細胞、B細胞、好中球、赤血球を磁気により分離してNK細胞分画を採取した後、CDIlc陽性細胞をマイクロビーズで分離した。7.4x10e8から1.1x10e9個の脾細胞から分離したNK1.1陽性樹状細胞は、2.2x10e4から2.3x10e4個とかなり少数であり、その後、細胞の特性を測定するのには困難であった。したがって、in vitroでII(1)C細胞分画を増加させる試みとして、これまでに報告されている種々の物質を添加してマウス脾細胞を培養した。これらの試薬を添加しないコントロールと比較し、細胞培養後にImc細胞分画細胞数は、IL-4で1.2-5.2倍、IL-15で1.8-4.0倍、IL-18で08-5.2倍、GM-CSFで2.3-2.5倍、TNF-αで1.2-4.5倍、FLT-3リガンドで1.4-2.5倍、CpGで2,2-2.6倍、LPSで1,4-2.8倍にそれぞれ変化していた。 今後、これらを組み合わせた培養を行い、どの組み合わせが一番IKDCを増加させるかを検討していく予定である。さらに、条件を設定した後、ImCの表面マーカーやサイトカイン産生能、アロリンパ球刺激能、遊走能、各種癌細胞に対しての傷害能を検討していく。そして、in vivoでの抗腫瘍効果および作用機序を、マウス大腸癌、肝癌の系で検討を行う予定である。
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